世界最大の「ロボット販売市場」になった中国・・・「ロボット産業」には課題

 中国メディア・科学網は28日、急成長を見せつつも技術革新の点で不足が見られる中国ロボット産業について、中国工程院アカデミー会員の王天然氏が「人類とロボットの融合」に着目すべきであるとの見解を示したことを伝えた。  記事は、王氏が先日行われた中国国家ロボット発展フォーラムにおいて、「この13年間で中国のロボット販売数は2ケタ規模の成長を遂げ、日本を抜いて世界最大の市場となった」と語る一方、中国のロボット産業では技術革新が少なく、国際競争に参加できるような企業が存在しないため、国産品の市場シェアが5%未満の状況であること、核となる部品の品質や信頼性が世界先進レベルより5-10年立ち遅れているとの見解を示したことを伝えた。  そのうえで、王氏が現在のロボット産業市場全体の状況として、自動車生産工程など「お金のある」業界ではロボットの導入が進んでいるのに対し、製品の再生(リマニュファクチャリング)産業においては組み立てや解体が100%手作業で行われていること、そしてロボットと人間との間で高効率なコミュニケーションが取れるレベルにまで到達しておらず、本質的な安全メカニズムに欠け、抽象的な指令が受けられないといった課題が残されていることを挙げたとした。  そして、材料や技術の発展に伴う「ロボット革命」が「第3次工業革命」につながるとするとともに、「新世代ロボットは単に人に代わるものではなく、環境に適応し、フレキシブルで、人間と協力できなければならない」、「人類との融合を実現するには、感知技術、行動や構造の向上により、ロボットが人間と同様に技能を学び、感じ取れるようにするための新たな技術的突破が必要だ」と展望、中国のロボット産業界は次世代ロボット開発に向けて「人間との融合」に強く注目すべきであると提言したことを紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・科学網は28日、急成長を見せつつも技術革新の点で不足が見られる中国ロボット産業について、中国工程院アカデミー会員の王天然氏が「人類とロボットの融合」に着目すべきであるとの見解を示したことを伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-01 09:45