中国はギリシャを救えるのか?=中国メディア

 中国の李克強首相がギリシャの債務危機について、「ギリシャが(問題を)克服するための一切の懸念や求めに対して、実際の行動で対応する」と述べたことに対し、中国メディアの捜狐は1日、「中国はギリシャを本当に救うことができるのか」と疑問を投げかけた。  記事は、ギリシャで5日に構造改革案の受け入れ賛否を問う国民投票が行われることを紹介し、反対多数となればギリシャはユーロ圏離脱を余儀なくされ、「厳しい経済状況に追い込まれることになる」と論じた。  さらにEU(欧州連合)加盟国では通貨にユーロが導入されており、EUの通貨政策は欧州中央銀行(ECB)が担っていることを指摘、財政政策については各国の政府が担当する仕組みであることを紹介。一方で、EU各国は自国だけが金融緩和などを行うことができないデメリットもある指摘した。  続けて、ギリシャは経済規模が小さく、EUに加盟できる条件が整っていなかったにもかかわらず、「投資銀行が手を貸した粉飾によってユーロ加盟を果たした」と記事は主張。さらに、EUと国際通貨基金(IMF)が2010年にギリシャに対して支援する際に出した条件は緊縮財政による赤字縮小だったとしながらも、ギリシャの債務危機は「経済」が問題なのではなく、年金をはじめとする福祉という「政治」が問題であるため解決が難しいとの見方を示した。  さらに記事は、中国の李克強首相がギリシャの債務危機に対して「ギリシャが(問題を)克服するための一切の懸念や求めに対して、実際の行動で対応する」と述べたことについて、中国政府としてはギリシャのデフォルトによる潜在的なリスクを回避することが目的だったと主張した。さらに、ギリシャがユーロ圏を離脱することになれば世界経済に与える影響も大きいと指摘し、「中国政府としては危機の悪化を望まないことは当然のことだ」と論じた。  続けて、中国はギリシャを本当に救うことができるのかと疑問を投げかけ、ギリシャのチプラス政権がロシアや中国に支援を求めたことは「EU側との交渉における引き出しを増やす意味もあった」としながらも、ユーロ圏離脱となった場合の準備と可能性もあると主張した。一方で、ギリシャの債務危機はEU内部における問題であり、中国ができることは政府がギリシャ国債を継続して購入することや、企業がギリシャに投資することなど限定的だと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国の李克強首相がギリシャの債務危機について、「ギリシャが(問題を)克服するための一切の懸念や求めに対して、実際の行動で対応する」と述べたことに対し、中国メディアの捜狐は1日、「中国はギリシャを本当に救うことができるのか」と疑問を投げかけた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-01 11:30