ギリシャぶっ叩き!中国メディア 「ごね国家」「国粋主義があまりにもひどい」

中国紙「環球時報」は6月30日付で、「ギリシャは緊縮体制を拒絶。最も強硬な『釘の家』」との見出し社説を掲載した。「釘の家」とは当局による立ち退き要求を拒絶して1棟だけ残った建物を指す。同記事は「道理もわきまえずごねる者」とのニュアンスで用いた。
記事はギリシャを「人口はわずか1000万人。経済の発展水準は欧州最下位。しかし福祉政策は過激に進めた。ギリシャの国粋主義は、不合理な福祉政策となった。(中略)だれが民衆におもねってくれるかとの視点で、民衆は遠慮なく彼ら(政治指導者)を選んだ」と酷評。
さらにギリシャ人の考えを「仕事はしない。金は使う。ドイツやフランスよ、あんたらはわれらの使う金を貸すべきだ」と説明し、「ギリシャ人は欧州連合(EU)の規則と民主主義体制を利用」と論じた。
記事は「ひとつの国には通常、“救済を食い物”にする劣った地域がある」、「EUは発展の遅れた南欧を圏内に入れ、ユーロを流通させた。ひとつの国にも似ている」と主張。
さらに2014年のスコットランド独立住民投票にも触れ、「もう少しで独立するところだった。英国は驚いて、いろいろな約束をして、スコットランドをとどまらせた。EUがなぜギリシャが騒ぐのを恐れるのか。ロジックは同じような物だ」と、ギリシャもスコットランドも独立を匂わせて自らを有利にする戦術と断じた。
記事は「ギリシャの国粋主義はあまりにもひどい。硫酸のようなものだ。福祉を削減しようとする鋼鉄の意思も消滅させる」と評した。
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◆解説◆
ギリシャ・チプラス政権の同問題への姿勢についての是非は別にして、上記記事には「体制(大勢)に逆らう者は悪」との基本的発想がある。
特に、スコットランドの独立問題についての部分では明白だ。独立要求にはさまざまな意見があるが、記事に「弱い立場にある者が、独立を求めるようになった経緯」を理解しようとする姿勢は見られない。
国内に大きな格差問題があるのは中国も同様だ。特にチベットや新疆などの少数民族地域について、中国当局はしばしば、「いかに大きな支援をしているか」を強調する。「食わせてやっているのだから言うことを聞け」という発想だけでは、現地住民を納得させることは不可能だろう。
中国における「釘の家」問題では、立ち退きを命じた当局側が、補償金を満足に支払わないことで、問題がこじれる例も多いとされる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) VASILIS VERVERIDIS /123RF.COM/ギリシャ・チプラス首相)
中国紙「環球時報」は6月30日付で、「ギリシャは緊縮体制を拒絶。最も強硬な『釘の家』」との見出し社説を掲載した。(イメージ写真提供:(C) VASILIS VERVERIDIS /123RF.COM/ギリシャ・チプラス首相)
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2015-07-01 14:15