ギリシャ外相、中国大使館に「協力強化」求める

 中国政府・外交部によると、ギリシャのニコス・コジアス外相は現地時間6月29日にアテネ市内の駐ギリシャ中国大使館を訪れ、中国の鄒肖力大使と会談した。コジアス外相は「これまで以上に両国関係と、各分野における実務的協力を進展させたい」と述べたという。  コジアス外相は鄒大使にギリシャが抱える債務問題の状況と、7月5日に国民投票により、欧州連合(EU)が示した構造改革案の受け入れの賛否を決めることになったと説明。  同国のチプラス首相は国民に「受け入れ案拒否」を呼びかけているが、コジアス外相は「ギリシャがユーロ圏を離脱することはない」と説明したという。  鄒大使は「中国はEUとの関係やギリシャとの関係を重視している。ギリシャにはユーロ圏にとどまってほしい。関係各方面がギリシャの債務問題について妥当な解決策を見出してほしい。そうすれば、中国とギリシャの実務的な協力を進めるのに役立つ」と述べたという。  欧州を訪問中の李克強首相は訪問先のブリュッセルで現地時間6月29日、「(中国は)ギリシャが(問題を)克服するための一切の懸念や求めに対して、実際の行動で対応する」などと発言、同問題での資金支援を示唆した。  ギリシャとEUが決裂した場合、ギリシャがユーロ圏を離脱するなどで、欧州を出発点に国際的に金融や経済が大混乱する可能性も否定できない。中国企業はユーロ圏に累計で巨額の投資をしている。国際的に経済が混乱すれば輸出への悪影響も出る。  金融・経済の混乱は中国にとって「大きな痛手」となる。中国政府は「実利」の面と、国際社会における中国に対する評価の向上を狙って、「支援」を念頭に置いたと考えられる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国政府・外交部によると、ギリシャのニコス・コジアス外相は現地時間6月29日にアテネ市内の駐ギリシャ中国大使館を訪れ、中国の鄒肖力大使と会談した。コジアス外相は「これまで以上に両国関係と、各分野における実務的協力を進展させたい」と述べたという。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-01 16:15