【為替本日の注目点】雇用統計上振れ期待でドル上昇、上値を試すか
NY市場
ドル円は落ち着きを取り戻し徐々にドル高に。NYではADP雇用統計など、経済指標が予想を上回ったことが長期金利の上昇につながり、123円24銭までドルが買われる。ユーロドルは5日のギリシャの国民投票まで債権国側との交渉がないことからやや軟調な展開。1.10台半ばまでユーロ安が進んだが勢いはなく、ドル高の影響による展開。
株式市場は続伸。ADP雇用者数が予想を上回ったことで今夜の雇用統計への期待も高まりダウは138ドル高。ISM製造業景況指数が5ヶ月ぶりの高水準だったことで債券は売られ、金利が上昇。長期金利は2.42%台まで上昇したが、レンジ内の動きが続く。金と原油は続落。
6月ADP雇用者数 → 23.7万人
6月ISM製造業景況指数 → 53.5
ドル/円 122.90 ~ 123.24
ユーロ/ドル 1.1043 ~ 1.1111
ユーロ/円 136.03 ~ 136.65
NYダウ +138.40 → 17,757.91ドル
GOLD -2.50 → 1,169.30ドル
WTI -2.51 → 56.96ドル
米10年国債 +0.066 → 2.425%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏5月生産者物価指数
欧 ECB議事要旨
米 6月雇用統計
米 新規失業保険申請件数
ギリシャの実質的なデフォルトが決まり、5日に行われる国民投票に注目が移ることになりますが、市場は徐々に落ち着きを取り戻して来ているようです。昨日は日経平均株価が続伸し、NYダウも138ドル高と大幅に続伸。恐怖指数と言われる「VIX指数」も落ち着きを取り戻しています。ドル円も123円台を回復し、NYではほぼ高値圏で引けており、今日の東京でも上値を試す展開が予想されます。
今夜は6月の雇用統計が発表されます。通常は金曜日に発表される同指標ですが、明日の金曜日が独立記念日の振替休日にあたるため今夜発表されることになっています。ギリシャ情勢に振り回されたここ2週間でしたが、今夜だけは通常通り、米国の経済指標が最大の注目イベントになります。
市場予想の中心値は「22.5万人」ですが、昨日のADP雇用者数が上振れしていたことで、期待も高まっており、一部には27万人以上を予想するところもあるようです。先月も市場予想の22万人に対して28万人だったことで、ドル円が125円86銭まで上昇し、まさか、ここが目先の高値になるとは誰も予想できなかったはずです。今回は仮に上振れても、125円台ではしっかりとドルを売る動きも出てくるのではないかと予想しています。
現時点では125円台が目先の天井になるのではないかという見方もあります。黒田総裁が6月10日に「ここからさらに円安はありそうにない」と述べていた水準です。その後総裁はこの発言の真意を釈明していましたが、これ以降ドルの上値が重くなったのも事実です。それでも、雇用統計の上振れを根拠にFRBが9月の利上げに踏み切るという「想定」でドルを買い進めるのかどうか、判断が試されるところです。
個人的にはギリシャ問題はひとまず横に置いておきたいところですが、チプラス首相は国民投票で緊縮策を拒否するよう有権者に呼びかけているようです。国民投票で緊縮策に反対の人数が多ければ多いほど、債権国側に圧力をかけ、より有利な条件を引き出せると訴えているようです。これに対してメルケル独首相は、国民投票の前にギリシャと交渉することはないと、議会で述べています。チプラス政権の常套手段である、「債権国側の足元を見る戦略」がいつまで通用するのか、来週には判明するはずです。
本日も日経平均株価は続伸しそうな気配です。ドル円も上値を試すと見ていますが、「4時間足」のチャートでは「雲の下限」が123円45銭辺りにあるため、目先はここが意識されます。123円台半ばをしっかりと上抜けできれば、123円台後半も望めるかもしれません。予想レンジは雇用統計があることも考慮して、122円50銭~124円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は落ち着きを取り戻し徐々にドル高に。NYではADP雇用統計など、経済指標が予想を上回ったことが長期金利の上昇につながり、123円24銭までドルが買われる。ユーロドルは5日のギリシャの国民投票まで債権国側との交渉がないことからやや軟調な展開。1.10台半ばまでユーロ安が進んだが勢いはなく、ドル高の影響による展開。
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2015-07-02 09:45