日本人に学んだ品質管理・・・仕事キッチリ、儲けガッチリ=中国メディア

 中国メディア「中国商報」は6月30日、江蘇省連雲港吉本多食品有限公司が、日本人に学んで品質管理レベルを高めるなどで、販路が大きく広がったとする記事を掲載した。  記事は、連雲港市出身者からの伝聞で始まる。日本に行き飲食店に入ったところ、食材のオニオンソテーに連雲港吉本多食品有限公司製と表示されていたという。「ふるさとが連雲港市であることを、初めて誇りに感じました」という。  連雲港吉本多食品は、有機栽培野菜やそれ以外の作物の確保と、製品の品質維持に、従来から努力してきた。例えば、品質検査では、自社検査と当局による法定検査の間に「第三者機関」による検査を実施。品質の問題による返品は現在までに1度も経験していないという。  しかし輸出を伸ばすには、不十分と考えた。そこで日本から専門家を招き、全職員が教えを受けることにした。単に日本人から学ぶだけでなく、「顧客からクレームがついた場合、該当する生産過程の責任者に経済的処罰を科す」方法を自ら考え、日本人専門家に妥当性を検討してもらったという。  製品の品質を高めることは信用につながり、信用はブランド評価につながった。その結果、輸出向けでなく国内市場、さらに航空会社の機内食用など、販路は大きく拡大したという。  日本では「JBD」という商標登録も行った。日本では、中国での「日本のパクリ商標」の登録が問題になる場合があるが、「JBD」は「吉本多(Jibenduo)」にもとづく。同社は中国の食品企業として、自社ブランド価値の向上に努めている。 ********** ◆解説◆  すでに十数年以上前の話だが、日本の東海地方のある地域の農業関係者団体が山東省に行き視察した。現地到着までは日本の農業への自信があり全員が楽天的だったが、山東省では一丸となり有機野菜の栽培を推進すると聞き、衝撃を受けたという。  山東省の農地面積は約470万ヘクタールで、日本の約460万ヘクタールより多い。説明よれば、有機栽培の実施方法も理にかなっており、政府主導による徹底的推進があれば「日本の農業は吹き飛ぶ」との危機感を感じたという。  しかしその後、山東省の農業で個別の成功事例はしばしば伝えられるが、日本の農業を「吹き飛ばす」ほどの状態にはなっていない。  詳しい状況は伝えられていないが、「省全体で一丸」との構想に無理があったとも考えられる。また、中国では「有機栽培」以前の「汚染問題」が浮上したことも、阻害要因になった可能性がある。(編集担当:如月隼人)(写真は連雲港吉本多食品HPキャプチャー)
 中国メディア「中国商報」は6月30日、江蘇省連雲港吉本多食品有限公司が、日本人に学んで品質管理レベルを高めるなどで、販路が大きく広がったとする記事を掲載した。(写真は連雲港吉本多食品HPキャプチャー)
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2015-07-02 13:00