ギリシャ債務危機はチャンス!・・・人民元の国際化を加速させよ=中国メディア

中国メディアの新華社は1日、債務危機に直面しているギリシャが国際通貨基金(IMF)に対する債務の返済を期限までに履行できなかったことを伝える一方、ユーロの影響力が削がれつつある今、中国は人民元の国際化を加速することで「世界の通貨体系の多元化に貢献できる」と主張した。
記事は、ギリシャがIMFへの債務返済を期限どおりに履行できなかったことは「債務不履行(デフォルト)」と言って良いと伝え、現在も「ギリシャとEU側のどちらが先に折れるか」という崖っぷちに立たされていることは間違いないと論じた。
さらに、ギリシャ債務危機が世界に与える影響について注目されていると伝え、一部では「短期的には金融や貿易、および消費者心理への影響を通じて世界に波及する」との見方もあると紹介した。また、債務を期日どおりに返済しなかったギリシャは名目上はどうあれ、実質的にはデフォルトしたことと同じであると伝え、リスク回避の動きはニューヨークやロンドン、東京、香港といった世界の株式市場に一時波及したと指摘した。
一方で記事は、ギリシャが実質的にデフォルトしたところで「必ずしもユーロ圏離脱を意味するものではない」とし、仮にユーロ圏を離脱することになっても「ギリシャの債権者はユーロ圏の国家もしくはIMFであり、範囲は限定的であること」、「経済に好転の兆しが見られるユーロ圏において、ギリシャ経済の規模は相対的に小さいこと」を挙げ、中長期にわたって影響をもたらすものではないと論じた。
さらに、米国の投資信託会社のストラテジストの話として、「ギリシャ債務危機に対する市場の第一の反応はネガティブなものだが、12年の債務危機に比べれば欧州のほかの債務国の経済はすでにある程度好転しており、今回のギリシャ債務危機が世界経済の回復に与える影響は限定的だ」と論じた。
また記事は、ギリシャ債務危機が中国に波及する可能性も当然あることを指摘する一方、市場全体に影響を及ぼすシステマティックリスクへとつながる可能性は小さいと主張。また、一部の声として「中国は適当な形でギリシャへの支援を検討すべき」とし、ギリシャ債務危機によってユーロの影響力が削がれ、世界経済における米ドルの基軸通貨としての問題が表面化している今、中国の人民元は国際化を加速することで「世界の通貨体系の多元化に貢献できる」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの新華社は1日、債務危機に直面しているギリシャが国際通貨基金(IMF)に対する債務の返済を期限までに履行できなかったことを伝える一方、ユーロの影響力が削がれつつある今、中国は人民元の国際化を加速することで「世界の通貨体系の多元化に貢献できる」と主張した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-03 13:30