【為替本日の注目点】ギリシャ情勢悪化、不透明感でドル買い続かず

 NY市場  ドル円はアジア時間の早朝に122円を割り込んだが、その後はドル買いが勝ってジリ高に。NYでは122円90銭までドルが上昇したがギリシャ情勢が不透明なことからドル買いも続かず、122円55-65銭で取引を終える。ユーロドルも国民投票で緊縮策を否決した後のギリシャ情勢が読めずに1.10台でもみ合い。先週の混乱に比べたら値幅も縮小。  株式市場は続落。原油価格が急落したことを受け、エネルギー株が下げを牽引。ダウは朝方上昇する場面もあったが、結局46ドル安で引ける。債券相場は続伸。ギリシャの国民投票で緊縮策が否決されたことで、不透明感が高まった。長期金利は2.29%台まで低下し、ドイツの長期金利も0.7%台へと低下。金は反発。原油はギリシャの混迷を受け、4月半ば以来となる52ドル台へ急落。  6月ISM非製造業景況指数   → 56.0  6月労働市場情勢指数(LMCI)→ 0.8  ドル/円 122.33 ~ 122.90  ユーロ/ドル 1.1002 ~ 1.1091  ユーロ/円 135.01 ~ 135.97  NYダウ -46.53 → 17,683.58ドル  GOLD +9.70 → 1,173.20ドル  WTI -4.40 → 52.53ドル  米10年国債 -0.095 → 2.290%  本日の注目イベント  豪   RBAキャッシュターゲット   日   6月マネタリーベース   独   独5月鉱工業生産   英   英5月鉱工業生産   米   5月貿易収支   ギリシャの国民投票では、どちらが勝っても「僅差」との予想だったが、結果は緊縮策反対が61.3%で賛成が38.7%と、「大差」で否決されたことが、やや驚きでした。それでも市場は、1週間前の動揺と比べると落ち着きもあり、ドル円は早朝のインターバンクで121円70銭近辺を記録したが、その後は終始122円台でした。ユーロドルも一時1.10を割り込んだものの、その後はユーロが買い戻される展開でした。  ただ日経平均株価は昼過ぎに500円を超える下げを見せ、先週の600円に迫る下げに比べたら下落幅は小さかったものの、結局427円下げて取引を終えており、こちらは先行き不透明感が増し為替に比べたら、そこそこの混乱でした。その後の海外市場でも相場の変動はあったものの、総じて落ち着いていたように思います。  国民投票で緊縮策に反対という国民の声を「武器」に、チプラス首相は債権国側に新たな提案を行う予定です。6割以上が反対票を投じられ、「民意」が出された以上、債権国側も交渉のテーブルに着かないわけには行かず、チプラス首相がテレビ演説で訴えていたように、反対票が多ければ多い程交渉を有利に進めることができそうな状況です。それに対して、ユーロ圏首脳は警告を発しています。  パリでオランド仏大統領と会談したメルケル独首相は、「時間切れが迫っている」とし、「あすは、どのように事態を前進させるべきかを、ギリシャ首相がわれわれに説明することが重要になる」と述べています。本日7日は改めてユーロ圏首脳会議と、ユーロ圏財務相会議が開かれることになっています。この席で、ギリシャがどのような提案をするのか、またユーロ圏首脳がどのようは対応をみせるのかまだまだ、先行きは不透明で、ギリシャのユーロ圏からの離脱も否定できない状況が続きます。  ギリシャでは引き続き銀行は休業しており、営業再開には至っていません。このままでは、銀行の店頭から現金がなくなるのも時間の問題との指摘もあり、ECBはギリシャの銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限据え置きを決めています。しかし、これもギリシャがユーロ圏から離脱するようだと途絶えることになり、その時はデフォルトが決定的になるものと思われます。ギリシャは10日に20億ユーロ、13日に4.5億ユーロ、17日に10億ユーロ、さらに20日にはECBに35億ユーロの返済が控えています。  ドル円は122円前後が底堅い展開ですが、まだ先行き予断は許しません。上述のように、今週の交渉の結果次第では再びドルの底値を試しに行く可能性がないとは言えません。ただそれでも現時点では、米国の利上げ観測がなくなったわけではないことから、ドルの大幅な下落は考えにくく、仮に120円台を試す展開があったとしても、長続きはしないと予想しています。  本日もギリシャに振り回される展開が予想されますが、レンジは122円ー123円程度を予想しています。昨日のNY市場での高値である122円90銭が抜けるようなら、123円30銭程度までの上昇があるかもしれませんが、ユーロ圏首脳会議の内容次第では昨日の下値の水準も意識しておく必要もあります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はアジア時間の早朝に122円を割り込んだが、その後はドル買いが勝ってジリ高に。NYでは122円90銭までドルが上昇したがギリシャ情勢が不透明なことからドル買いも続かず、122円55-65銭で取引を終える。ユーロドルも国民投票で緊縮策を否決した後のギリシャ情勢が読めずに1.10台でもみ合い。先週の混乱に比べたら値幅も縮小。
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2015-07-07 09:45