【為替本日の注目点】中国株の動向も懸念材料、株もドルも上値重く

 NY市場  ドル円はギリシャ情勢と中国株の不安定さが重しとなり、122円01銭までドル売りが進む。午後には株価が急速に値を戻したことで122円台半ばまで反発して引ける。ユーロ圏財務相会合で新たな進展が見られなかったことからユーロドルは売られ、1.0916までユーロ安が進行。その後はユーロの買い戻しも見られたが、徐々に上値を切り下げる展開が定着か。  ギリシャ問題で進展が見られないことからダウは大きく値を下げ、一時は200ドルを超える下落。午後にはギリシャが新たな改革案を提示することを約束したとの報道に急速に値を戻し、ダウは93ドル高で取引を終える。債券相場は続伸。ギリシャ問題と中国株懸念から買い物を集める。長期金利は2.25%台まで低下。金は大幅に反落し1152ドル台に。原油は小幅ながら4日続落。  5月貿易収支 → 418.7億ドルの赤字  ドル/円 122.01 ~ 122.65  ユーロ/ドル 1.0916 ~ 1.1053  ユーロ/円 133.52 ~ 135.43  NYダウ +93.33 → 17,776.91ドル  GOLD -20.60 → 1,152.60ドル  WTI -0.20 → 52.33ドル  米10年国債 -0.034 → 2.256%  本日の注目イベント  日   5月国際収支   日   6月景気ウォッチャー調査   米   FOMC議事録(6月16、17日分)   米   5月消費者信用残高   米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演   毎朝のこのレポートも、連日ギリシャの話題一色です。今朝もそのギリシャから始まりますが、昨日はユーロ圏首脳会議に先立ち、財務相会合が行われました。この会議には新たにギリシャの財務大臣に任命されたチャカロトス新大臣がデビューしましたが、特段進展はなかったようです。  この状況に、ドル円は122円近辺までドル売り円買いが進み、ユーロドルは1.09台前半までドル安が進み、この日は円が最強通貨で、次にドルが来て、ユーロが最も弱い通貨になっています。また株価も、NYダウは210ドルも下落し、ザラ場での今年の最安値を記録する場面もありました。  その後、ギリシャは新たな改革案を提示することを約束したと伝えられていますが、メルケル独首相は数日中に合意しなければ時間切れになると警告しています。同首相は「われわれが選ぶ道筋は改革案なしではありえない」とも述べています。今後ギリシャがユーロ圏からの支援を引き出すには、納得できる改革案が不可欠ですが、チプラス首相は6割以上の緊縮策反対の声を後ろ盾に、どこまで債権国側に譲歩するのか不透明です。  ブルームバーグに拠ると、1週間以上も休業が続いているギリシャの銀行は、ECBが緊急流動性支援(ELA)を増額しなければ、あと数日で資金が底をつき、預金者にも負担が及ぶ可能性があると伝えています。  そんな中、ECB政策委員会のメンバーであるノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ギリシャに対するつなぎ融資の検討はあり得るとの見方を示しています。同総裁は「ECBがつなぎとなるプログムを想定した一歩を踏み出せるかどうか、関連した議論はある」と延べ、「これが可能かどうかという点をまさしく議論する必要がある」と発言しています。  ただ同時に、ギリシャが20日期限のECB向け35億ユーロの支払いを実行できない場合、ECBはELAを打ち切らざるを得ないだろうとも指摘し、「そうなれば事実上国家破綻、デフォルトになる」とし、「そのような状況では、ECBはもはや一段の流動性を提供する立場ではなくなる」と語っています。チプラス首相も今度は時間稼ぎさえできいない状況に追い込まれているとも言え、同時にユーロ圏に残るのか、あるいは離脱するのかギリギリの選択を迫られています。  ギリシャ情勢に加え、中国株の動向も懸念材料として急浮上して来ました。そのため、ドル円も122円前後では底堅い動きを見せる一方、上値も徐々に重くなっています。  またユーロドルも1.10水準ではショートの買い戻しなどが入り、底堅かったですが、昨日は1.0916までユーロ安が進み、テクニカル的には下値を探るパターンを形成しつつあります。1.09台半ばでもみ合うようだと、日足では約2ヵ月半ぶりに「雲を下抜け」することになるからです。本日も上記、ギリシャと上海株に注意しながら、レンジは122円ー123円を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はギリシャ情勢と中国株の不安定さが重しとなり、122円01銭までドル売りが進む。午後には株価が急速に値を戻したことで122円台半ばまで反発して引ける。ユーロ圏財務相会合で新たな進展が見られなかったことからユーロドルは売られ、1.0916までユーロ安が進行。その後はユーロの買い戻しも見られたが、徐々に上値を切り下げる展開が定着か。
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2015-07-08 09:45