【為替本日の注目点】NYダウ大幅高で円全面安、ドル高継続は混沌
NY市場
イエレンFRB議長は、議会証言でこれまでのFRBの政策を踏襲すること発言し、緩和縮小を堅持する姿勢を示した。株式市場が大幅に続伸したことで、「リスクオン」が進み、低金利のドルと円が売られた。ドル円は102円台前半から102円71銭まで上昇。
ユードルは1.36台後半まで上昇したが、1.37台乗せには至らず利食いの売りに反落。ユーロ円も1月末以来となる140円台前半まで上昇。
株式市場は4日続伸。イエレン議長の議会証言から米景気の底堅さを確認。市場はこれに素直に反応しNYダウは192ドル上昇し、引け値では1万6000ドル目前まで買われる。
債券相場は反落。イエレン議長が債券購入縮小を継続させると発言したことが手掛かりとなり、長期金利は2.74%台まで上昇。
金は3日続伸。原油は小幅に反落。
ドル/円 102.15 ~102.71
ユーロ/ドル 1.3630 ~ 1.3681
ユーロ/円 139.27 ~ 140.29
NYダウ +192.98 → 15,994.77ドル
GOLD +15.10 → 1,289.80ル
WTI -0.12 → 99.94ドル
米10年国債 +0.057 → 2.724%
本日の注目イベント
日 1月マネーストック
中 中国 1月貿易収支
欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
欧 ドラギ・ECB総裁講演
英 BOE、四半期物価報告発表
米 1月財政収支
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
注目のイエレンFRB議長の議会証言ではサプライズはなかったものの、これまでのFRBの政策を踏襲するという姿勢を明確に示し、焦点の「緩和縮小」については「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを表明しました。同時に、その計画を変更するハードルが高いことも示唆しています。
イエレン議長は2月に就任して以来公の場で発言するのは今回が初めてとなることから、市場の注目度が高く折からの株価の大幅下落や、新興国通貨の下落が急速に進んできた状況だけに、その発言内容が注目されてきました。資産購入の縮小については「FOMCでは一定の割合で購入額を減らすだろう」と述べたが、そのペースについては「あらかじめ決まった道筋はない」と述べています。
新興国通貨の下落に関しても何らかの配慮があるのではとの見方もありましたが、議長は「最近の国際金融市場の変動を注意深く見ている」と言う表現にとどめ、その影響も米国経済にとっては大きな問題とはならないとの認識を示しています。このような発言から市場は、「議長が米経済の成長に強い自信を持っている」と受け止め、この日は「リスクオン」が進み、株価の大幅高と債券相場が下落しています。債券購入の縮小を今後も継続して行くという発言は、本来株価の下落要因とみることができますが、市場はそれ以上にイエレン議長の米景気に対する自信の表れに反応したようです。
イエレン議長の議会での証言は明日も行われますが、基本的には緩和縮小を継続することが確認されたと言えます。これに対して市場、特に株式市場が今後も好材料として反応するかどうかは不透明です。昨年末のように、株式市場が順調に上昇を続けてくれればドル円も105円に向かってドル高が続くと読むことができますが、そこはまだ混沌としています。そのため、ドル円は101円~103円台で一進一退の動きになると予想されます。今後改めて米景気の拡大を示す良好な指標が出て来るまではもみ合いが続くと思われます。
ドル円はなかなか方向感を見いだせません。短期的には103円を試す方向かとは思いますが、明確なサインは出ていません。それでも「日足」では「MACD」が「シグナル」を下から上抜けして来ました。「遅行スパン」などドル買いを示すサインはいまだ点灯していませんが、上記「MACD」が「シグナル」を上抜けするのは1月2日以来、約1ヵ月半ぶりです。かなり早いシグナルだけに「だまし」の可能性もあります。実際、「MACD」と「シグナル」はまだ、「マイナス圏」に留まっており、「ゼロの軸」を超えるには時間がかかりそうです。予想レンジは祝日前とほぼ同じ、102円~103円程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
イエレンFRB議長は、議会証言でこれまでのFRBの政策を踏襲すること発言し、緩和縮小を堅持する姿勢を示した。株式市場が大幅に続伸したことで、「リスクオン」が進み、低金利のドルと円が売られた。ドル円は102円台前半から102円71銭まで上昇。
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2014-02-12 09:45