グーグルで何故働きたくなる? 人事部門トップが著した「ワーク・ルールズ!」日本語版が発売へ

 世界各地で「最も働きたい会社」に選ばれ、日本でも5年連続で「もっとも働きやすい会社」に選出されたグーグル。そのグーグルの人事部門のトップ(上級副社長)であるラズロ・ボック(Laszlo Bock)氏が、グーグルの働く仕組みについて著した「WORK RULES!(ワーク・ルールズ!)」が日本でも7月末に出版される。原書の発売は2015年4月7日。わずかなタイムラグで日本語の翻訳書が出ることになる。出版する東洋経済新報社が7月8日に東京・日本橋で開催したメディア・セッションで書籍の内容をメディア向けに公開した。画像は「WORK RULES!(ワーク・ルールズ!)」より。  著者のラズロ・ボック氏は、マッキンゼー、GEを経て、2006年からグーグルの人材部門を率いている。今や世界で6万人の従業員と、世界40カ国以上に70あまりのオフィスを構えるまでの大企業となったグーグル。ベンチャー企業のような起業家精神を失わず、誰にも「働いてみたい」という思いを抱かせる組織を維持するため、グーグルではどのような考え方で人事マネジメントを行い、工夫をしているのか? 本書で具体的な事例を挙げ、失敗例にも言及しながら解説している。  同書によると、グーグルのアプローチは、権力と権威をマネジャーから社員へと譲り渡すよう意識しているという。「誰を雇うか」、「誰を解雇するか」、「ある人の業績をどう評価するか」、「誰を昇進させるか」、「製品の最終的設計およびそれを発表する時期」など、これらの決定のそれぞれが、マネジャーに代わって、同僚のグループ、委員会、独立した専門チームによって下される。そして、マネジャーの役割は、「マネジャーはチームに奉仕する」(エリック・シュミット会長)という考えが徹底されている。  ラズロ・ボック氏は、グーグルのような人事組織をつくり上げるため必要なのは、「社員は基本的に善良なものだという信念――そして、社員を機械ではなくオーナーのように扱う勇気だけだ」と述べている。そして、そのような考えに基づいて組織運営するのは、グーグルが初めてではないとして、フォードのヘンリー・フォード氏の言葉、また、ハーシーカンパニーのミルトン・S・ハーシー氏の取り組みなどを紹介する。  そして、本書を通じて、ラズロ・ボック氏は、毎年多くの人がグーグルを訪ねてきて質問する「みんなどうしてこんなに幸せそうなのか?」という問いに対する答えを用意したとしている。  毎年約200万通の就職申込を受け取り、年間に数千人を採用するというグーグル。もはや、ハーバード大学やイェール大学、プリンストン大学など全米の人気校に入学する競争率と比較して25倍もの競争率になっている。そのような魅力的な組織づくりについての考え方を、様々な切り口で展開している同書は、人事担当者のみにとどまらず、ビジネスパーソンや学生など、多くの人に刺激を与える内容になっている。(編集担当:風間浩)
世界各地で「最も働きたい会社」に選ばれ、日本でも5年連続で「もっとも働きやすい会社」に選出されたグーグル。そのグーグルの人事部門のトップ(上級副社長)であるラズロ・ボック(Laszlo Bock)氏が、グーグルの働く仕組みについて著した「WORK RULES!(ワーク・ルールズ!)」が日本でも7月末に出版される。
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2015-07-09 10:45