食器洗い乾燥機の普及率は「西高東低」、新しいもの好きは西エリアに多い

日本の西エリアは、新しいもの好きでやりくり上手。東エリアは、まわりの目が気になってほしくても言い出せない? ――2015年5月にパナソニックが全国4700名を対象に行った「食器洗い」および「食器洗い乾燥機」に関する意識・実態調査で、食器洗い乾燥機の普及率が「西高東低」になっていることが明らかになった。この調査結果に対し、県民性に詳しいナンバーワン戦略研究所所長の矢野新一氏は、「新しいものに対しての興味関心度合いと、女性の家庭内での“強さ”が、食器洗い乾燥機の普及率と県民性の関連を紐解く鍵」と語っている。画像はパナソニック・三菱総研調べの全国食洗機普及率より。
調査は、日本国内在住の20~59歳の男女4700名(都道府県別・性別に均等割付)の回答結果を集計した。調査期間は2015年5月27日~5月31日。
(普及率の調査はパナソニック・三菱総研調べ。調査時期は2014年4月)
食器洗いについての実態は、食器洗い頻度は「1日に2回以上」(48.3%)が最も多く、次いで「1日に1回程度」(20.7%)だった。また、毎日食器洗いをしている人が全体の約7割になった。そして、1回の食器洗いに費やす時間は、平均13.05分で、全国的に大きな差はなかった。そこで、食器洗いに対して面倒・億劫などストレスを感じているかを聞くと、35.5%が「ストレスを感じる」と回答。県別では、福井県(46.0%)、岐阜県(45.0%)、鳥取県(43.0%)はストレスを感じている人が多い結果となった。
一方、食器洗い乾燥機(ビルトイン型・卓上型)の普及率は、全国平均で28.4%。47都道府県で普及率のトップは奈良県(49.6%)、次いで、香川県(46.2%)、広島県(43.5%)になった。反対に普及率が低かったのは、北海道(15.5%)、青森県(18.9%)、沖縄県(19.6%)だった。普及率の分布は、北海道・東北地方を中心とした東側に普及率30%未満の都道府県が集中。西側はトップ3の県を含め、全体的に普及率が高く、「西高東低」の図式が浮かび上がった。
食器洗い乾燥機を使っていない理由は、「キッチンに置くスペースがないから」(53.6%)がトップ。「購入価格が高い(高そう)だから」(42.9%)、「電気代・水道代がかかりそうだから」(27.0%)が続いた。特徴的だったのは、北海道・東北地方で「贅沢品なイメージがあるから」という回答率が高く出た。このイメージを持っているのは全国平均15.3%だったが、北海道では25.3%と10ポイント上回っている。
また、「夫や姑に対する遠慮がある」(女性・57歳・香川県)、「家族が嫌がる」(女性・52歳・京都府)など、家庭内での人間関係がネックになっているという声が女性から多くあがった。
半面で、食器洗い乾燥機を使っている人は、「食器洗いにかけていた時間が短縮できた」(57.7%)、「食器洗いの負担・ストレスが減った」(48.4%)などのメリットを感じている。「食洗機を回している間にかなり他の用事ができるので、洗濯機と同じだと思う」(女性・56歳・兵庫県)、「夜遅くに食器をたくさん洗うストレスから解放され、主人と一緒にゆっくりコーヒーが飲めるようになった」(女性・59歳・長野県)など、時間短縮やストレス軽減を実感しているという声が多かった。また、節水になっていると感じ、きれいに洗えていることをメリットにあげる人も多かった。
この調査結果に対し、矢野氏は、「西のエリアは、歴史的に新しいものに対して積極的に取り入れる開放的な姿勢が全体的にあります。お金の使い方にシビアな傾向もありますが、“無駄なお金を使いたくない”という気持ちがある一方で、利便性やメリットなど、『良い』と感じたものに対しては、お金を使うことが多いです」と解説。
食器洗い乾燥機の普及率が1位となった奈良県は、「新しいものに対する抵抗がほとんどない県民性。世帯あたりの預貯金額が全国的に見ても高いことも一因ではありますが、買い物上手、やりくり上手な人が多いことも特長です」という。
香川県は、「現実的な考え方で経済観念が発達しているだけに、生活も堅実。女子教育が盛んだった県ですので、女性が何事にも積極的で自立志向も強い傾向にあります。男女ともプライドが高いことで、見栄っ張りという要素も一部影響して普及率が高い結果になっているのでは」としている。
広島県は、「西のエリアの中でも特に新しいもの好き。また、買い物に対して金額面にうるさく言わない県でもあります。世帯あたりの所得や預貯金額は全国平均程度ですが、ほしいものに対しては抵抗なくお金を使う、投資をする県だといえるでしょう」と解説している。
反対に、東エリアは、非常に保守的な傾向があるという。一度起こったことや感じたことに対しての執着心も強い傾向にあるため、「ネガティブなイメージを持たれてしまうと、それが簡単に払拭されないことが多い。食器洗い乾燥機であれば、『大きい』、『高い』などのイメージが一度ついてしまっていて、そこから抜け出せていない状況も考えられます」としている。
なお、東京都をはじめ首都圏の普及率が低いことについて、「東京都は共働きの家庭が全国的に見ても少なく、専業主婦が多い。専業主婦だから時間がある、だから手洗いでという固定観念が持たれ続けている可能性も垣間見えます。ただ、首都圏は新しいものが集まる、新しいものへの受容性が高いエリアです。男性と女性の家事分担をスムーズにしうる便利家電として、食器洗い乾燥機の需要は高まっていくと考えられます」と語っている。
調査を実施したパナソニックは、コンパクトなスペースで設置ができ、静音、節水・節電、そして洗浄力を兼ね備えた、卓上食器洗い乾燥機を様々に取りそろえている。静音化設計のファミリータイプ(約6人分45点が入る)の卓上食器洗い乾燥機として新製品「NP-TR8」も発売した。(編集担当:風間浩)
日本の西エリアは、新しいもの好きでやりくり上手。東エリアは、まわりの目が気になってほしくても言い出せない? ――2015年5月にパナソニックが全国4700名を対象に行った「食器洗い」および「食器洗い乾燥機」に関する意識・実態調査で、食器洗い乾燥機の普及率が「西高東低」になっていることが明らかになった。
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2015-07-09 11:45