【為替本日の注目点】上海株や日本株に注目、ギリシャ悲劇の最終章

 NY市場  ドル円は昨日中国株と日本株が急反発したことで、120円台から反発。121円53銭までドルが買われたが、ギリシャ情勢が依然として不透明なことから上値も限られた。ユーロドルもギリシャ情勢を睨みながら一進一退。1.10から1.10台半ばで推移。  株式市場はアジア株が急上昇したことを受けて大幅な上昇で始まったが、失業保険申請件数が予想以上に増加していたことで徐々に上げ幅を縮小。ダウは前日比33ドル高で取引を終える。債券相場は5日ぶりに反落。中国株に下げ止まり感が出てきたことが売りを誘った。長期金利は2.31%台まで上昇。金は反落し、原油は6日ぶりに反発。  新規失業保険申請件数 → 29.7万件  ドル/円 121.20 ~ 121.53  ユーロ/ドル 1.0992 ~ 1.1069  ユーロ/円 133.31 ~ 134.22  NYダウ +33.20 → 17,548.62ドル  GOLD -4.30 → 1,159.20ドル  WTI +1.13 → 52.78ドル  米10年国債 +0.122 → 2.319%  本日の注目イベント  米   グアテマラ・ボストン連銀総裁講演   米   イエレン・FRB議長講演   加   カナダ6月失業率   昨日の為替は、上海株と日本株の動きに翻弄された1日でした。朝方、日経平均は寄り付きから売りが殺到し、すぐに前日比600円を超える下落となり、日経平均株価は1万9000円を割りこむ勢いでした。前日にNYダウが261ドル下げた影響から日本株にも売り圧力が強まり、この時点で2日間で1250円ほどの下げを記録しました。  10時半から取引が開始された上海株も下げて始まったものの、その後上昇に転じたことで、日経平均も徐々に下げ幅を縮小。ドル円も120円台で底堅い動きを見せるようになりました。そして、午後には株価が前日比プラスに転じると、ドル円も121円台を回復し、121円57銭までドルの買戻しが進みました。  アジア市場ではドルも株価も反発したことから、海外市場でももう一段の上昇を予想しましたが、結果的にはアジア市場ほど伸びませんでした。やはりギリシャ情勢が重石となった他、IMFが世界経済の成長率を下方修正したことも響いたようです。IMFは、ユーロ圏と中国の成長率は据え置きましたが、米国と日本を引き下げています。  ギリシャと債権国側との交渉期限である12日までは、本日を含めても残り3日となりました。昨日ギリシャは債権団に新提案をしました。それは、3年間の支援を要請することを条件に、付加価値税(消費税にあたるもの)と法人税の引き上げ、さらに年金の給付抑制により2年間で100億ユーロ(約1兆3400億円)から120億ユーロの収支改善を目指すというものです。法人税は26%から28%に引き上げ、レストランなどの付加価値税(VAT)を23%に統一するという内容です。  昨日もこの欄で述べましたが、チプラス首相はさすがに残された時間がないことを意識してか、これまでの強硬な姿勢を変えて来たように思います。今回の提案も、これまでにない譲歩した内容になっています。問題は、この提案をEUなど債権国側が受け入れるかどうかです。  債権国側はこの提案を受け入れるかどうかを12日の首脳会議で議論することになりますが、メルケル独首相は「12日の首脳会議は非常に重要だが、その結果を予言することはできない」と述べています。ユーロ圏首脳は声をそろえて、12日が最終期限だと言っている以上、今回は議論の引き延ばしはないと考えられます。ギリシャ悲劇の最終章も、いよいよ幕が下ろされる時が来たようです。  本日は、引き続き上海株の行方と、先行して始まる日本株には注目です。NYでは企業決算の発表も始まり、こちらも株価への影響に注意しなければなりません。上で述べたように、12日には最後の大詰めの会合が開かれるため来週月曜日は、結果がどうであれ、「窓が開く」可能性が高いと予想されます。資金管理には注意して下さい。予想レンジは121円~122円50銭程度と、やや上値を意識しています。もちろん、上海株が再び大幅安になるようだと、下値を狙ってくる可能性もあります。  金融市場が大きく売れ動いています。ギリシャと中国がその震源地ですが、この混乱をどう乗り切るか女性3人の判断にも注目が集まります。「ジャネット」、「アンゲラ]、「クリスティーヌ」が、その3名の名前ですが、これだけでその人が誰か分かったら国際金融にかなり精通していると言えます。順番に、イエレンFRB議長、ラガルドIMF専務理事、そしてメルケル独首相です。いずれも男性顔負けの要人です。それにしても、結構可愛いファースト・ネームだと思いませんか?良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は昨日中国株と日本株が急反発したことで、120円台から反発。121円53銭までドルが買われたが、ギリシャ情勢が依然として不透明なことから上値も限られた。ユーロドルもギリシャ情勢を睨みながら一進一退。1.10から1.10台半ばで推移。
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2015-07-10 10:00