加工貿易の「輝ける時代」は終わった=中国・広東省

中国メディアの中国青年報は、中国で製造業が数多く集積する広東省東莞市において、「加工貿易における輝かしい時代は過去のものになった」と伝え、受託製造から中国国内の市場に狙いを定め、自らブランドを立ち上げる企業が増えつつあることを紹介した。
記事は、東莞市で靴の受託製造を行っている企業の関係者の話として「商売がうまくいっているときは利益も眼を見張るものがあった」としながらも、人件費や原材料といったコストが上昇を続けており、現在は1足の靴で最大でも1元(約19.77円)しか利益が出ないと伝えた。
さらに、同社では5月に工場労働者の人件費が200元(約3954円)も上昇したとし、「300人規模の工場では、人件費を回収するだけでも、月に10万足以上の靴を製造する必要があることを意味する」と伝えた。
また記事は、「国外のブランドは1足あたり5元(約100円)で製造し、その6倍の値段で販売している」とし、「なかには10倍以上で販売しているブランドもあるほどだ」と伝え、同社では「自社のブランドを確立すれば販売もしやすく、利益も多く確保できる」との結論に達し、自社ブランドの立ち上げを目指す方針だと報じた。
続けて、東莞市に限らず、広東省の大半の受託製造企業は「商売が立ちゆかなくなっていることを実感している」と伝え、社員数の削減や東南アジアへの移転を選択する企業も増えていると伝える一方、中国の国内市場に狙いを定め、自ら製品を開発しようとする企業も増えていると紹介した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) Anel Alijagic /123RF.COM)
中国メディアの中国青年報は、中国で製造業が数多く集積する広東省東莞市において、「加工貿易における輝かしい時代は過去のものになった」と伝え、受託製造から中国国内の市場に狙いを定め、自らブランドを立ち上げる企業が増えつつあることを紹介した。(イメージ写真提供:(C) Anel Alijagic /123RF.COM)
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2015-07-10 10:30