中国株の大暴落、日本の「バブル崩壊」と比較して意味あるか!?=中国メディア

中国メディア・捜狐は7日、中国の株式市場暴落について「なぜ日本の失敗ばかり示し、ドイツの成功を紹介しないのか」とする評論文章を掲載した。
記事は、近ごろの中国株式市場暴落において「市場陰謀論」が続々と湧き起こるなかで「日本が米国の通貨戦争によって失敗させられた」という「市場でもっとも広まっている陰謀論」を想起せざるを得ないとしたうえで、「人はみな物語を聞きたがる。物語は人の心を動かすが、あまり物語を見過ぎると、事実が蔑ろにされてしまうことがある」と論じた。
そして、「1980年代のプラザ合意によって日本円が大きく値上がりし、それが日本経済の停滞を招いた」という考え方が市場で一般的になっていると紹介。これに対して「なぜみんな日本の話ばかりをして、ドイツについて触れないのかと聞きたい」と問題を投げかけた。
文章は1970-80年代における日本とドイツ(西ドイツ)の経済環境が非常に似通っていたとし、いずれも輸出依存の外向型経済、ハイテク国家、敗戦国、米国からの政治的リードを受けていた、本国の為替レートが低いといった共通点を持っていたと解説。
また、プラザ合意においても、日本とドイツ双方の為替レートを上昇させ、米国の対本国レートを相対的に下げるよう要求が出されたことを紹介、「これがいわゆる『陰謀論』の起点だ」とした。そのうえで、その後日本が経済成長とともに“バブル経済”を招き、それが80年代末に崩壊して長期の経済低迷期に陥ったと解説。一方で、同様に為替レートが大きく上昇したドイツでは「日本のようなバブル経済と崩壊による経済低迷が起きなかった」ばかりか、持続的かつ安定的な発展を続け、ドイツマルクはその後ユーロの基盤となるなど、強い局面を維持していることを挙げた。
文章は最後に「危機的な言論が、より市場の『観客』の心理に迎合するものであることが見て取れる。そして、本当の原因は往々にして無視されてしまうのである」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・捜狐は7日、中国の株式市場暴落について「なぜ日本の失敗ばかり示し、ドイツの成功を紹介しないのか」とする評論文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-10 17:30