今週の為替相場見通し(2015年7月13日ー)=為替王

 先週の米ドル円は1ドル=120円台まで急落する場面がありましたが、結局、120円を割れることはなく、週末は、前週末とほぼ同じ122円台後半まで値を戻しました。経済ファンダメンタルズの観点では、中国株が暴落から急反発したことやギリシャ問題が楽観視されたことなどが、円安に戻った背景だと考えられていますが、しかし、先週号で「120円近くまでなら円高が進む」と申し上げておりましたように、テクニカル分析の観点でも、円高ターゲットの120円台に到達したため、円安への揺り戻しが生じたとの見方になります。  さてこうなりますと、今度は逆に上方向のポイントが気になりますが、チャート分析上は123円台前半あたり。そのあたりの水準がちょっとした節目になっており、一旦、上値を抑えられやすいのではないかと考えます。その先の展開として、もしも123円台のゾーンを超えてきますと、また円安が加速して、先月の高値圏(円安値圏)に近づくシナリオも浮上しますが、上値を抑えられれば、再度下方へ向かう可能性が高まります。  豪ドル円についても、先週号で「最大で90円あたりが下落目処になりやすい」と申し上げておりました通りの展開でした。一時的に89円へと下落が加速する場面がありましたが、今回の豪ドル円の急落は、ほぼ90円で止まって、先週後半は反発に向かいました。また、NZドル円については「最大で80円」と申し上げておりました通り。先月から続いている下落トレンドは、先週ひとまず80円台で止まって反発しました。  豪ドル円もNZドル円も、とりあえず急落が止まっただけで、まだ上昇トレンドに転じるには至っていません。通常は、下落目処の付近で保ち合いを繰り返すなどして、また新たな局面へ移行するケースが多いです。  ギリシャ危機で、地理的にも近いトルコリラ円のさらなる下落を心配されていた読者の方も多かったですが、先週後半は大きく反発して本当に良かったですね。危機でも大きく崩れない底堅さが見て取れます。トルコリラ円は、このまま上昇が続いて、先月トルコ総選挙ショックで急落する前の水準、47円台を回復することも期待したいです。(執筆者:為替王)
先週の米ドル円は1ドル=120円台まで急落する場面がありましたが、結局、120円を割れることはなく、週末は、前週末とほぼ同じ122円台後半まで値を戻しました。
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2015-07-13 06:45