ANAのデュアルハブネット戦略進展、羽田-アジア増で利便性向上

全日本空輸(ANA)では、増便する羽田国際便の航空チケットを1月30日から発売開始した。今回、新たに羽田発でハノイ(ベトナム)、ジャカルタ(インドネシア)、マニラ(フィリピン)への直行便を新設し、シンガポール、バンコクなどのアジア路線も増発するなど、首都圏からアジアへの渡航がグッと身近になる。全日本空輸マーケティング室ネットワーク部の真後広子氏に、新航路の開設などによる効果と、今後の羽田空港でのサービス拡充について聞いた。(写真はサーチナ編集部撮影)
――いよいよ3月30日からの新航路の就航が近づいてきました。羽田空港国際便増便の発表の反響は?
お客様からは、大きな反響をいただいています。現在の羽田では深夜早朝時間帯に限られている東南アジアや、欧州などの中・長距離路線で、昼間時間帯に新たに就航することになるため、旅客利便性が大きく向上することへの期待を寄せていただいています。
――特にアジアへの路線展開を強化なさっていますが、その狙いは?
2010年より首都圏空港における発着枠の段階的な拡大が進みました。当社では羽田と成田のそれぞれの長所を生かしながら両空港を一体的に取扱い、首都圏をベースとするデュアルハブネットワーク戦略を進化させてきました。
羽田については、都心からのアクセスの利便性の高さ、また、国内線ネットワークとの相乗効果が期待されるため、首都圏発着需要、および、地方発着需要の最大限の取り込みを狙っています。したがって、羽田では、ビジネス需要が強い路線を中心に増便を決定しました。
一方で、成田においては、アライアンスパートナーの路線網も豊富にあり、アジアのゲートウェイとしての機能を高め、日本を発着する需要のみならず、アジアと北米間の需要を積極的に取り込みたいと考えています。
特に、シンガポール・バンコク・ジャカルタ・マニラについては、日本発着のビジネス流動だけでなく、北米との流動も大きいため、羽田・成田双方からの展開を行い、羽田は午前発、成田は午後発といった形でダイヤによりその機能の棲み分けを行っています。
――増便によって取り込みを狙う利用客層は、どのような層ですか?
羽田については、たとえば、現在は日本各地からソウル経由等で海外に行くケースも多いのですが、そのような流動を羽田に戻したいと考えています。羽田は、都心からアクセスしやすく、また、国内線ネットワークも充実しているため、日本各地と海外を結ぶ便利な拠点として、より利便性を高めることができると思います。
――増便によって利用者には、どのようなメリットがありますか?
羽田から昼間に運航する地点数が大きく拡大することにより、お客様に多くの選択肢を提供できるようになることが、大きなメリットになると考えています。
加えて、地点により状況は少し異なるものの、出発のピークは午前中の10時から12時、到着のピークは15時から20時になっていますので、日本を発着するお客様には非常に使いやすいダイヤを設定しています。
これにより、海外側でも到着時間が早くなり、現地での滞在時間を長く確保できるようなります。例えば、マニラ線は、これまで成田路線では到着が21時前後、出発が9時でしたが、羽田では10時前に出発しマニラに昼到着、マニラを午後出発して羽田に20時頃到着するようになります。時間を有効に活用できるため、特に首都圏のビジネス渡航のお客様にとっては理想的なダイヤだと考えています。
また、羽田に8時-9時に到着する国内の始発便、並びに、羽田を16時-20時に出発する国内の最終便とは、短時間で接続ができるようになります。
――今後の羽田空港でのサービスは?
今回の増枠では、欧州線に羽田で初めてファーストクラス(Fクラス)のサービスを展開します。B787の積極的な投入も行い、航空サービスとしての競争力を一段と高めていきたいと考えています。
また、羽田からの路線拡大に合わせて羽田空港の拡張工事も行われているため、ラウンジの拡張やサービスの刷新についても検討を進めています。こちらは確定し次第、お客様にご案内する予定です。(編集担当:風間浩)
全日本空輸(ANA)では、増便する羽田国際便の航空チケットを1月30日から発売開始した。今回、新たに羽田発でハノイ(ベトナム)、ジャカルタ(インドネシア)、マニラ(フィリピン)への直行便を新設し、シンガポール、バンコクなどのアジア路線も増発するなど、首都圏からアジアへの渡航がグッと身近になる。全日本空輸マーケティング室ネットワーク部の真後広子氏に、新航路の開設などによる効果と、今後の羽田空港でのサービス拡充について聞いた。(写真はサーチナ編集部撮影)
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2014-02-12 13:45