どうして中国の若者は車の購入に慎重なのか

中国では経済発展とともに、平均給料も上がっています。一昔前なら、日本円で10万円の給料を手にしている人は高級人材でした。しかし、今では20代30代前半の若いビジネスマンの多くが、それくらいの給料をもらっています。
では、ある程度の給料をもらっている彼らは、何にお金を使うのでしょうか。10年ほど前なら、少しいい給料をもらっている人は、すぐにマイホームの購入を考えました。そんな彼らは不動産投資に成功し、今や2軒3軒と不動産を所有しています。しかし、今は違います。不動産価格が高騰しているため、多くの若者には手が出ません。もし結婚を考える対象がいなければ、不動産購入には動かないでしょう。
中国でも、晩婚化が進んでいます。多くの若者は、結婚のまえに経済的安定を確立しようとしています。また、ある程度の給料をもらえる仕事をしている人は、コロコロ仕事を変えません。結婚や出産でキャリアをストップさせたくないと考える女性も少なくありません。そのような理由で、結婚を見据えた不動産の購入を考える若者が減っています。
中国人が成功の基準にあげるもう1つの条件は、車の購入です。しかし、オフィスで働く若者で車の購入を考える人は、多くはありません。なぜなら、現実的な見方を持った人が多いからです。もちろん彼らの給料からすると、国産ブランドなら数カ月で頭金を用意し2年ほどのローンで十分買えます。外国ブランド車でも、頑張れば購入可能です。このように、経済的に難しくはないのに、手を出そうとしません。
子どもがいれば、車があればなにかと便利でしょう。しかし、まだ子供がいない若者にとって車を使いたいと思うときは多くないでしょう。
車を使うとしたら通勤時ですが、通勤時間帯の道路事情はどうでしょうか。日本でもニュースになっていたりしますから、ご存知の方も少なくはないと思います。あちこちで渋滞が発生しています。地下鉄で行けば30分の距離も、車なら1時間もしくはそれ以上かかるのです。
また、会社の近くで借りる駐車場の代金もばかになりません。市内で駐車場を借りるなら、毎月1万円から2万円は必要です。彼らの給料からすると、1割を占める金額です。さらにガソリン代もかかります。地下鉄で通勤すれば、時間もかからず、費用も半額から5分の1ほどですみます。経済的負担を考えたとき、都市部のオフィスで働く若者は、車の購入に二の足をふんでしまうのです。
最近では、レンタカーサービスも普及してきました。週末に、恋人や友達、家族と遊びに行きたい場合は、レンタカーで十分なのです。このような理由から、若いビジネスマンは、経済的には購入できても、車の購入に積極的ではないのです。(執筆者:大西 秀明 提供:中国ビジネスヘッドライン)
中国では経済発展とともに、平均給料も上がっています。一昔前なら、日本円で10万円の給料を手にしている人は高級人材でした。しかし、今では20代30代前半の若いビジネスマンの多くが、それくらいの給料をもらっています。
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2015-07-15 09:45