千葉県柏市・柏の葉キャンパス地域、地域の団体や大人が学習体験を提供する「未来こどもがっこう」を開校

 千葉県柏市・柏の葉キャンパス地域のまちづくりを推進する柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)を中心に、地域の関係団体や、柏市・柏市教育委員会などの後援のもとで、新たな教育プロジェクト「未来こどもがっこう」を立ち上げた。2015年7月19日に、柏の葉カンファレンスセンターで開校発表会を開催した。UDCKセンター長の出口敦氏は、「2005年につくばエクスプレスが開通して10年。『柏の葉キャンパス』駅周辺には約5000人が暮らす。都市が暮しを育て、子供を育てる場として一段と成長するため、地域の東京大学や千葉大学のキャンパスと連携した学習の場づくりをすすめたい」と語った。また、後援する柏市の秋山浩保市長は、「地域の団体や大人が、子供たちに体験を提供する学びの場を提供してくれることは大変心強い」と、設立を歓迎した。(写真は、「未来こどもがっこう」開校式の様子)    柏の葉キャンパス地域は、2008年に千葉県・柏市・東京大学・千葉大学の4者により「柏の葉国際キャンパスタウン構想」を策定し、行政、市民、企業、大学などが連携して問題解決型のまちづくりを進めている。同構想の目標のひとつに、「国際的な学術・教育・文化空間の形成」を掲げ、東京大学・千葉大学が立地する環境を生かし、教育に関する様々な施策を実施してきている。    「未来こどもがっこう」は、フェローに、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長の村山斉氏、千葉大学名誉教授の古在豊樹氏を迎え、柏の葉に関わる様々な団体・個人が参画し、まちの持つ「知」を集結させた取り組みとして展開する。幼児から高校生を対象に、初年度は2015年7月~2016年3月まで、毎月定期的に開催するカリキュラムを30以上実施する計画。2016年3月に初年度の取り組みの成果について発表会を開催し、次年度の取り組みなどを発表する予定。    UDCKアートコミュニケーションディレクターの小山田裕彦氏は、「未来こどもがっこう」の学びのテーマを5つ紹介。「探究」「先端」「健康」「創造」「共創」のテーマにそって、東大・千葉大の他、地域の医療機関(国立がん研究センター、柏の葉総合歯科など)、柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(東大学生有志による団体)、KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)など、また、地域住民の協力を得て、様々な体験型のワークショップを1回完結型、日曜日開催を基本に提供していくと全体の概要を紹介した。    7月19日の開校日には、エンジニアリングアーティストとして「ふうせん宇宙撮影」に取り組む岩谷圭介氏を講師にした「宇宙パラシュート」の制作・実験ワークショップ。そして、家具デザイナーの土橋陽子氏を講師にした「LEDが光る王冠を作ろう」のワークショップを実施した。各講座の受講案内はインターネットの公式サイトで実施しているが、「宇宙パラシュート」のワークショップには約200名の申し込みがあり抽選で小学生50名を招待した。    公開授業として開催された「宇宙パラシュート」のワークショップでは、講師の岩谷氏が、学生時代にインターネットで「ふうせん宇宙撮影」について知り、手探りで実験を繰り返し行って、ついに宇宙の写真を撮影することに成功した体験談を語った。そして、実際の「ふうせん宇宙撮影」で、地球に戻ってくるカメラが地表に落ちてくるときに使っているパラシュートと同じ作りのパラシュートを作り、高い場所から落下させてパラシュートが開く様子を観察した。岩谷氏は、自らの体験を振り返り、「まず『やってみる』ことから始めることが大事。失敗したら、その原因を考え、あきらめないで続けると、いろんなことがわかるようになり、夢も実現できる」と、子供たちに語りかけていた。    「未来こどもがっこう」は7月~8月の夏休み期間はほぼ毎週末に開催する。8月22日・23日は「宇宙アドベンチャーフェスタ」として、「宇宙」をテーマに、「オリジナルプラネタリウム」、「宇宙サイエンス・カフェ」、「ふうせん宇宙を感じてみよう」、「宇宙トーク」を集中開催。その後、基本は毎月1回の開催を予定。秋の集中講座を経て、12月と2月には地元の小学校と連携した特別カリキュラムを実施する予定にしている。(編集担当:風間浩)
千葉県柏市・柏の葉キャンパス地域のまちづくりを推進する柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)を中心に、地域の関係団体や、柏市・柏市教育委員会などの後援のもとで、新たな教育プロジェクト「未来こどもがっこう」を立ち上げた。(写真は、「未来こどもがっこう」開校式の様子)
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2015-07-21 09:30