【為替本日の注目点】株安と黒田発言で円反発、日経下落幅には注意
NY市場
ドル円は124円台半ばを抜けなかったことや、米長期金利が低下したことで、利益確定のドル売りに押される。124円台を割り込み、123円76銭まで反落。ユーロドルは反発。ドル売りが優勢となり、前日の安値から150ポイントほどユーロ高が進む。
株式市場は大幅に反落。IBMなどの決算が予想を下回ったことをきっかけに売りが優勢となり、ダウは前日比181ドルの下落。株安が進んだことで債券は反発。2年債利回りは1ヶ月ぶりの高水準から低下した。長期金利も2.33%台まで低下。金は下げ止まらず、年始来安値を更新。原油は1週間ぶりに反発したものの小幅に留まる。
ドル/円 123.76 ~ 124.40
ユーロ/ドル 1.0856 ~ 1.0969
ユーロ/円 135.00 ~ 135.76
NYダウ -181.12 → 17,919.29ドル
GOLD -3.30 → 1,103.50ドル
WTI +0.21 → 50.36ドル
米10年国債 -0.049 → 2.330%
本日の注目イベント
豪 豪第2四半期消費者物価
中 中国 6月景気先行指数
英 BOE議事録
米 5月FHFA住宅価格指数
米 6月中古住宅販売件数
先週から堅調に上昇して来たドル円は、結局124円台半ばを抜けきれずに反落しました。124円台半ばは、6月10日の「黒田ショック」でドルが急落した際の、起点となった水準で市場参加者の多くが意識した水準だったと思われます。
株価の方もやや調整を見せたことで、ギリシャと中国という二つの不安要因が後退したあとのリスクオンの動きにもブレイキがかかったと見られます。ただこの先はそれ程不安要因は見あたらず、米利上げを織り込みながらドルが緩やかに上昇していく展開を予想しています。
昨日の東京時間では株価もしっかりし、日経平均株価はほぼ年初来高値の水準でした。しかし、先週末比191円上昇した株価の割りにはドル円の伸びは限定的で、124円台半ばが意識されていることが窺えました。
NYでは経済指標の発表もなく、株価が下落し、債券が買われたことに反応して、ドル円は123円台後半まで売られています。またNY時間には黒田日銀総裁が、物価上昇率が秋口以降かなりのテンポで上昇していく可能性があると発言したことが伝えられ、こちらも円買いを誘ったと見られます。
注目のユーロドルも前日の急落から反発し、1.09台半ばを超えてきました。結局ドル円は120-125円のレンジを、上も下も抜け切れない展開が続いているということです。ギリシャと中国問題から下値を試しましたが、120円は抜けずに120円41銭を底値に反転し、今度はその二つのリスクが後退したことから上値を試しましたが、124円47銭で折り返してきた形です。
今週はなかなか材料にも乏しく、方向感もいまいち掴みにくい展開が予想されます。来週には夏休み前最後のFOMCが開催されます。今回のFOMCではイエレン議長の記者会見はありませんが、それでも9月に利上げがあるのかそれとも、12月になるのかのヒントを得ることができる可能性があり、重要なイベントであることに変わりはありません。そしてその翌週には7月の雇用統計が発表になり、言うまでもなく、利上げのタイミングには大きな影響を与えます。それまでは、しばらく蒸し暑い相場展開が続くと見ておいた方がよさそうです。
本日はやや目線を下に見て、レンジは123円30銭から124円30銭程度を予想します。順調に回復してきた日経平均株価が、予想外の下落を見せるようだと、123円前後までの下落もあるかも知れません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は124円台半ばを抜けなかったことや、米長期金利が低下したことで、利益確定のドル売りに押される。124円台を割り込み、123円76銭まで反落。ユーロドルは反発。ドル売りが優勢となり、前日の安値から150ポイントほどユーロ高が進む。
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2015-07-22 09:45