【為替本日の注目点】ドル円124円台回復、上昇トレンド中の調整
NY市場
中古住宅販売件数が予想を上回ったことでドル円は124円台を回復。124円16銭までドル高が進んだが上値も重く、その後はじり安に転じる。ユーロドルは再び売られ、1.08台半ばまで下落したが、その後は堅調に推移し、1.09台前半まで値を戻す。
株式市場は続落。アップルなどのハイテク株の決算発表に失望売りが出て、ダウは68ドル安。1万8000ドルの大台を大きく下回る。債券相場はもみ合い。インテルの起債に関するニュースに左右されたものの、引け値は前日とほぼ変わらず。金は10日続落し、節目の1100ドルを引け値で割り込む。原油は反落し、50ドルを割り込む。
5月FHFA住宅価格指数 → +0.4%
6月中古住宅販売件数 → 549万件
ドル/円 123.75 ~ 124.16
ユーロ/ドル 1.0869 ~ 1.0930
ユーロ/円 134.84 ~ 135.50
NYダウ -68.25 → 17,851.04ドル
GOLD -12.00 → 1,091.50ドル
WTI -1.17 → 49.19ドル
米10年国債 -0.003 → 2.327%
本日の注目イベント
日 6月貿易収支
欧 ユーロ圏7月消費者信頼感(速報値)
英 英6月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 6月景気先行指標総合指数
米 企業決算 → マクドナルド、GM
加 カナダ6月小売売上高
米国の住宅市場は、昨年末まで順調に拡大して来ましたが、今年に入って成長にブレイキがかかり、春先まで軟調に推移しましたが、ここに来て再び拡大基調に戻ったようです。昨日発表された6月の中古住宅販売件数は前月比3.2%増の、年換算で549万件でした。これは、2007年2月以来の高水準で、2008年のリーマンショク前の水準ということになります。
住宅市場に関する指標では、月曜日に発表された住宅着工件数と、許可件数も今年最も高い水準で、住宅市場の回復が鮮明になって来ました。住宅の購入が続くと、同時に関連商品を購入する傾向があり、個人消費の拡大につながります。米国では、今年の自動車販売も好調で、年間では1800万台を超えるのではないかと予想されています。
住宅、自動車と言えば、高額商品の代表ですが、通常これらはローンで購入されることが多く、低金利が続いていることが追い風になっていると思われます。一方で、米株式市場は今年に入って一進一退を続けており、日本株などに比べると、決してパフォーマンスはよくありません。
1万8000ドル台に乗せると売られる展開が続いており、資産効果という観点からは住宅市場への追い風ではありません。足元の住宅市場の拡大がどこまで続くのか、慎重に見極める必要がありますが、現時点では、FRBの利上げ判断には好影響を与えていると見られます。
ドル円は上記中古住宅販売の結果に反応して124円台を回復する場面もありましたが、その水準を維持できませんでした。株安と、長期金利がそれほど上昇してこないことが背景にありますが、それでも基本は「ドル高」トレンドが継続中であると見ていいでしょう。
商品相場を見ると、金はついに1100ドルを割り込み、原油価格も50ドルの大台を4月2日以来、約4ヶ月ぶりに割り込んでいます。原油価格は、米エネルギー情報局が発表した週間在庫統計で、在庫が予想以上に増加していたことで売られたわけですが、チャート的にも弱気のサインが点灯しています。こられは、いずれ実施される米利上げを予想した上での動きと言えます。
124円台を回復したドル円は、結局「1時間足」の雲の下限で上昇を止められた格好になっています。この雲を見るとそれ程厚くないことから、何か材料があれば上抜けすることは容易です。
上昇トレンドの中での調整と見ていますが、来週のFOMCやその翌週の雇用統計で、再び上値をトライする可能性はあると思いますが、逆に利上げ観測の後退につながるような結果になると、122円台あたりまで値を下げることも考えられます。「7対3」で上昇局面を予想するスタンスで、どうでしょうか。本日のドル円ですが、123円50銭~124円50銭程度を予想したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
中古住宅販売件数が予想を上回ったことでドル円は124円台を回復。124円16銭までドル高が進んだが上値も重く、その後はじり安に転じる。ユーロドルは再び売られ、1.08台半ばまで下落したが、その後は堅調に推移し、1.09台前半まで値を戻す。
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2015-07-23 09:30