【為替本日の注目点】米株安が日本株にも影響、ドル円の上値を抑え
NY市場
124円台前半が徐々に重くなるドル円は、新築住宅販売件数が予想を下回ったことや、株価の大幅下落と金利低下で123円60銭までドルが売られる。ユーロドルは方向感がなく1.09台で推移。1.08台を抜けないと同時に1.10台でも上値が重い展開が続く。
株式市場は4日続落。中国の景気減速を示す指標を嫌気して、主要3指数とも下落。ダウは163ドル下落し、週間で518ドルほど下げ週間ベースでは1月以来最大の下げ幅を記録。債券相場は続伸。住宅関連指標が予想に届かず、インフレ見通しも低水準であることから債券に資金が向った。金は反落し1085ドル台に。原油も続落。
6月新築住宅販売件数 → 48.2万件
ドル/円 123.60 ~ 124.08
ユーロ/ドル 1.0930 ~ 1.0992
ユーロ/円 135.55 ~ 135.95
NYダウ -163.39 → 17,568.53ドル
GOLD -8.60 → 1,085.50ドル
WTI -0.31 → 48.14ドル
米10年国債 -0.009 → 2.260%
本日の注目イベント
中 中国 6月工業利益
独 独7月IFO景況指数
欧 ユーロ圏6月マネーサプライ
米 6月耐久財受注
ドル円は124円台に乗せると売られる展開が続いています。下値も123円台半ばでは底堅い動きは見せるものの、NYでは株安と長期金利の低下傾向が続いており、ドル円が反発するには分が悪い展開です。それでも底堅さを見せているのは、今週のFOMCへの期待や、第2四半期GDPが前期に比べ、上振れするとの見通しがあるものと思われます。
FRBは本来非公開の経済予測を意図せずウェブサイトに掲載していたことを、24日に明らかにしています。掲載されたのはFRBスタッフが独自の予測をまとめたもので、第4四半期の政策金利はFOMCメンバーの中間予測値を下回っていました。この影響で、債券相場は金利低下が進み、ドル円の上値を抑える結果になっています。
先週のドル円は値幅も出ず、123円台半ばから124円台半ばと、極めて狭いレンジ内で推移しました。特段動く材料がなかったのは事実でしたが、原油安、金安から、マネーが再び米国債に流れたため、ドルの上値は重くなり、安全資産が買われる展開でした。
今週からは材料が出てきます。28-29日にはイエレン議長の記者会見はないものの、FOMCが開催されます。年内の利上げが適切だと、イエレン議長が何度も述べていることから、利上げのタイミングは9月か、12月と見られていますが、その時期を巡って何かヒントがあるかもしれません。
また、30日(木)には米第2四半期GDPの速報値が発表されます。第1四半期はマイナス成長だったことから、米景気の減速を懸念する声が高まりましたが、結局それは天候不順と、西海岸での港湾ストの影響による可能性が高かったと見られています。第2四半期のそれは「2.5%」と予想されており、前回の「-0.2%」から急改善していると見られます。さらに来週には7月の雇用統計が発表され、今週から来週に掛けての経済指標が、利上げのタイミングに大きな影響を与えて来るものと思われます。
NYダウは先週だけで518ドルほど下げ、ほぼ年初来安値に近い水準で引けています。今週もこの傾向が続くようだと、日本株にも影響を与え、株の下落がドル円の上値を抑えることも予想されます。本日のレンジは123円20銭から124円20銭程度と予想します。
明日、28日(火)の「今日のアナリスト・レポート」は都合により休ませて頂きます。読者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
124円台前半が徐々に重くなるドル円は、新築住宅販売件数が予想を下回ったことや、株価の大幅下落と金利低下で123円60銭までドルが売られる。ユーロドルは方向感がなく1.09台で推移。1.08台を抜けないと同時に1.10台でも上値が重い展開が続く。
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2015-07-27 09:30