中国で造船会社「倒産ラッシュ」・・・生産能力過剰が一因か=中国メディア

 中国メディア・北京商報は28日、現在中国国内の造船業界で企業の倒産が相次いでいる状況を紹介するとともに、その背景にある問題について解説する記事を掲載した。  記事は、江蘇省最大の造船企業である舜天船舶が先日破産申請を行ったことについて「これは造船業界の縮図に過ぎない」とし、14年12月には同省南通市の明徳重工が、15年3月には東方重工が、4月には庄吉船業が、そして5月には正和造船がそれぞれ裁判所に破産を申し立てたことを紹介した。  また、多くの造船企業が破産するとともに、業界全体で利益低下や、厳しい財務の状況が発生しており、15年1-5月における一定規模以上の船舶工業企業の利益総額が前年同期比で13.3%下落し、船舶製造業で同11.3%、船舶修理業で同8.2%利益が減少する結果となったことを伝えた。  そのうえで、浙江造船工程学会の陳達西副理事長が「現在造船業界が直面している最大の問題は、速すぎる成長による生産能力過剰だ」と指摘したことを紹介。また、造船企業の持つ技術力が低いことも、多くの企業が淘汰のピンチを招いている原因の1つであるとし、LNG輸送船、環境保護型の船舶といった高い技術を求められる注文の受注シェアが少ないとの分析が出ているとした。  記事は、縮小した航海輸送市場が短期間のうちに大きな改善が見込まれないことから、造船業界の低迷はしばらく続くことになり、「企業間の合併、再編が加速され、倒産企業はさらに増える可能性がある」という陳副理事長の見方を紹介。企業が生き残るには、付加価値の高い船舶を生産する体制へのモデルチェンジが必要であると中国国内の専門家が分析していることを併せて伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・北京商報は28日、現在中国国内の造船業界で企業の倒産が相次いでいる状況を紹介するとともに、その背景にある問題について解説する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-28 10:15