「墓じまい」の35%にトラブル、親族間のもめ事や離檀料・墓石解体費の料金で

 お墓の無縁化を防ぐためにお墓を撤去する「墓じまい」で親族間のトラブルが絶えないという。また、お墓の撤去時に寺院に支払う「離檀料」や、墓石の解体や墓地の更地化の費用である「墓石解体費」についても、思わぬ金額を請求されるケースがあるという。日本初のお墓ネット専門店である「お墓まごごろ価格.com」が、全国の墓じまい経験者100人(20~60代男女)を対象に実施した調査では、「墓じまい」で35%が何らかのトラブルに遭遇し、4人に1人が「離檀料」が予想を超える金額になったと振り返っている。画像はお墓まごごろ価格.com」が、全国の墓じまい経験者100人(20~60代男女)を対象に実施した調査より。  都市部への人口一極集中や、人口減少によって墓守がいなくなるなど、お墓が無縁化して管理ができなくなった無縁墓に、管理者が現れない場合に、お墓を撤去する「墓じまい」が行われている。墓地区画の減少に伴い、近年、全国の自治体や寺院が自主的に行っただけでも2004年度から2013年度までの10年間で4万5235基にのぼる。(厚生労働省「衛生行政報告例」より。)管理者がいないという判断ができない無縁墓予備軍は、これ以上の数になると考えられる。このような中で、お墓が無縁化して管理ができなくなる前に、自主的に墓じまいを行う人が増えている。  「お墓まごごろ価格.com」は、このような「墓じまい」に関する現状を調査すべく、2015年6月25日~30日に、全国の墓じまい経験者100名を対象する調査を実施した。その結果、「墓じまいを行った中で、トラブルや困った経験があった」という回答は35%になり、トラブルの内訳は、「親族間のトラブル」(17%)、「次の納骨場所が見つからない」(15%)、「墓石解体費」(11%)、「離檀料」(10%)、「自治体への手続き」(6%)という内容だった。  「普段墓の面倒をみない親戚が、ひとつにまとめなくいいと言い張り困った」(30代女性/岐阜県)、「墓じまいをして納骨堂に納めることに対して、親戚から嫌味をいわれた」(30代女性/大阪府)など。「長男長女であることが理由で、その子世代が管理することも当然のことのように周りから言われる。子どもたちだって、遠方や海外に転勤や引越をすることができなくなる」(30代女性/東京都)と、意外と大きな心労になったことがうかがえるコメントが寄せられた。  また、「墓じまいの準備で、当初予想していたこととのギャップ」については、49%がギャップを感じていたことが判明した。一番多い回答は「離檀料」(25%)、次いで「墓石解体費」(20%)、「親族間の議論で意外と苦労」(17%)、「自治体への手続き」(12%)、「次の墓地が見つからず」(11%)という内容だった。「費用が全く見えなかったので、必要以上に心労が絶えませんでした」(40代男性/埼玉県)とのコメントは、実際に「墓じまい」を行った人の代表的な実感を表しているようだ。  一方で、墓じまいをした後、新しいお墓を建立しなかった53名に、「墓石が無いわびしさを感じましたか」と聞くと、49.1%が「わびしさを感じた」と回答。お墓管理には大変さはあるものの、お墓があることで感じられる特別な思いも存在するような回答になった。  この調査結果を受け、「お墓まごごろ価格.com」の日本石材産業協会認定お墓ディレクターの北山修哉氏は、「墓じまいに伴う親族間のトラブルには、墓じまいをしようと考えている事情を理解してもらい、納得してもらうことが大切。金銭面に関する具体的な話や今後の管理のことも踏まえた説明を丁寧にすることが有効です」とアドバイスしている。  また、「離檀料」や「墓石解体費」などの金銭面でのギャップについては、「墓じまいに関しての知識不足から予想を立てづらかったのだろうと思います」と推測。「離檀料」については、「墓石は解体する前に閉眼供養(魂抜き、性根抜き)という法事を営みますから、その費用は必要になります。閉眼供養とは別に、妥当な金額のお車代があれば十分ではないでしょうか。もし、管理費等の滞納もなく何百万円といったような高額な離檀料を請求された場合は、その内訳を聞き、正当性に欠けるようであれば弁護士などに相談してみるのも良いかもしれません」とコメントしている。  そして、「墓石解体費」については、「一般的な広さの墓所なら、解体と石の処分費を含めても20~30万円前後で済みます。重機が入らず、全て人力で作業をしなければならないような墓所でない限り、100万円もかかることはまずありません」という。  加えて、「墓じまいをする前に、ご遺骨の行方を決めておくことも大切です。近場の墓地に新しくお墓を建てる、永大供養に移す、海洋散骨する、手元供養など自宅でご遺骨を保管するなど様々です。大切なご先祖様のご遺骨ですから、墓石解体後の供養は、ご家族やご親族の方々とじっくり話し合い、皆さんがご納得できる方法を選択することをおすすめいたします」とアドバイスしている。  「お墓まごごろ価格.com」は、2009年にサービス開始以来、「お墓をもっとわかりやすく」することをめざしてサービス展開。「お墓のカタログ通販」、「お墓の引越まごころパック」、「まごころ価格の墓じまい」などのサービスを提供している。「まごころ価格の墓じまい」では、協力会社からの僧侶派遣・墓じまいに関する法要や墓地・永代供養墓の案内なども実施している。(編集担当:風間浩)
お墓の無縁化を防ぐためにお墓を撤去する「墓じまい」で親族間のトラブルが絶えないという。また、お墓の撤去時に寺院に支払う「離檀料」や、墓石の解体や墓地の更地化の費用である「墓石解体費」についても、思わぬ金額を請求されるケースがあるという。
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2015-07-28 16:00