中国の鉄鋼輸出・・・「貿易摩擦」招く恐れも=米華字メディア

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの中国語版は28日、中国の2015年上半期における粗鋼生産量が約20年間で初の減少となったうえ、鉄鋼メーカーのうち4割が赤字であると伝える一方、中国の鉄鋼輸出は大幅に増えていることから「国際的に摩擦が激化する恐れがある」と論じた。  記事は、中国鋼鉄工業協会が28日に発表した内容として、15年上半期の中国国内における鋼材消費量が減少し、生産能力の過剰によって供給が需要を大きく上回るなど需給バランスが崩れていることから、鉄鋼製品の価格も下落していると伝えた。  続けて、中国の15年上半期における粗鋼生産量は前年同期比1.3%減の4億1000万トンだったとし、約20年ぶりに減少に転じたと指摘、「中国の粗鋼生産量は2014年にピークをつけた可能性がある」と論じた。  また、鋼材消費量についてはすでにピークをつけた可能性を示唆し、13年の消費量は前年比7.1%の増加だったのに対し、14年は同3.29%減、15年上半期は同4.71%減と、13年を境に減少に転じていることを伝えた。  さらに記事は、中国鋼鉄工業協会の統計を引用し、大手から中小まで鉄鋼メーカーの赤字が拡大していると伝え、中国鋼鉄工業協会の会員企業の42.6%が赤字となっていることを紹介。鉄鋼製品の価格も下落傾向にある一方で、15年上半期の中国の鉄鋼輸出量は日本の同一期間中の粗鋼生産量とほぼ同等の5240万トンに達し、大幅に増加したと指摘し、「中国の鉄鋼輸出の増加は世界的な貿易摩擦を招く恐れがある」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの中国語版は28日、中国の2015年上半期における粗鋼生産量が約20年間で初の減少となったうえ、鉄鋼メーカーのうち4割が赤字であると伝える一方、中国の鉄鋼輸出は大幅に増えていることから「国際的に摩擦が激化する恐れがある」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-29 10:00