賃貸VS住宅購入、結局どっちが得?=為替王
Q: 賃貸の出費より、月々の住宅ローンの支払いのほうが安いし、賃貸は結局自分のものにならないけど、住宅ローンは完済すれば、住宅が持ち家になるという、よくある説明は正しいのでしょうか?分からなくなってきました。(40代)
A:「賃貸の家賃」と「住宅ローンの月々の支払い」を比較した議論をよく耳にしますが、単純な比較は間違いでしょう。隠れた費用も含めて比較するのが望ましいです。
Q:隠れた費用って何ですか?
A:住宅購入の場合、住宅ローンの支払いの他に、「固定資産税・都市計画税」がかかりますし、マンションならそれに加えて「管理費・修繕積立金」も、かなりの負担になります。
Q:それってだいたい、いくらくらいですか?
A:もちろん購入した住宅の場所や広さによってピンきりなのですが、あくまでも目安として、首都圏の平均的なモデルケースで言えば、「固定資産税・都市計画税」が年間20万円前後(10万円~30万円くらい)、「管理費・修繕積立金」は月額3万円(2万円~4万円くらい)。それくらいの水準に近い金額を負担しているケースが多いと思われます。
Q:マンションを購入した場合、結局、住宅ローンの支払いのほかに、どれくらいかかるんですか?
A:都心で平均的なマンションを購入した場合、「固定資産税・都市計画税」と「管理費・修繕積立金」と合わせて、年間で50万円~60万円くらいは覚悟しておいたほうが良いでしょう。
Q:えっ、年間50万円も! その負担が毎年続くんですよね?
A:はい。しかも修繕積立金などはマンションの老朽化と共に値上げされるケースもよくありますし、税金は今の日本の財政事情を考えれば、将来、増えることはあっても減ることはないでしょう。仮に、30歳~40歳くらいで購入して死ぬまでざっと50年間負担すると仮定すれば、総額3千万円くらい支払うことになります。
Q:それって、マンションがもう1戸購入できるくらいじゃないですか!あっ、でも、持ち家は、いざとなったら、自分の資産なんだし、売却すれば、その売却金で老後過ごすという選択肢もありじゃないですか?だとしたら、賃貸より、頑張って、ローンを組んで、持ち家を買った方がいいような気がしますが。
A:耐用年数というものがあって、住宅用の木造なら22年、鉄筋コンクリートなら47年となっており、建物の価値はほぼゼロになります。日本では人口が増えないのに新築物件だけは毎年どんどん増えているため、現時点で日本全国の空き家は820万戸(総住宅数における空き家率は13.5%)に達しています。タダでも売れない物件(タダ同然で買っても、税金や修繕費などの負担がずっとかかるため)が年々増えている現実に目を向けるべきでしょう。
Q:じゃあ、賃貸が有利なんでしょうか?
A:もちろん、だからといって、賃貸が有利とも言えません。賃貸は当然ながら、家賃を死ぬまで払い続けなければなりませんし、「更新料」「保険料」「保証料」なども、意外なほど大きな負担をさせられているケースも多いです。それらも軽く考えずに、比較する際はしっかり計算に加えてください。(執筆者:為替王)
Q: 賃貸の出費より、月々の住宅ローンの支払いのほうが安いし、賃貸は結局自分のものにならないけど、住宅ローンは完済すれば、住宅が持ち家になるという、よくある説明は正しいのでしょうか?分からなくなってきました。(40代)
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2015-07-29 17:15