【為替本日の注目点】FOMCニュートラルもドル上昇、GDP注目
NY市場
FOMC声明文では労働・住宅市場は改善しているとしたものの、利上げの時期を巡るヒントはなく、ほぼニュートラル。ドル円は株価が上昇し、金利も上昇したことで124円台に乗せる場面も。ドル高の流れに、ユーロドルも前日の水準からやや下落。1.09台半ばまで売られたものの、方向感は依然として不透明。
株価は続伸。FOMCで景気の改善が指摘されたことや、企業決算に反応し、ダウは121ドル上昇。債券相場は続落。声明文ではニュートラルだったが、株価の上昇から売りが優勢となり、長期金利も小幅に上昇。金は続落し、原油は続伸。
6月中古住宅販売成約指数 → -1.8%
ドル/円 123.54 ~ 124.03
ユーロ/ドル 1.0967 ~ 1.1080
ユーロ/円 135.97 ~ 136.94
NYダウ +121.12 → 17,751.39ドル
GOLD -3.60 → 1,092.60ドル
WTI +0.81 → 48.79ドル
米10年国債 +0.039 → 2.289%
本日の注目イベント
豪 豪6月住宅建設許可件数
日 6月鉱工業生産
独 独7月雇用統計
独 独7月消費者物価指数(速報値)
欧 ECB経済報告
欧 ユーロ圏7月景況感指
米 4-6月期GDP(速報値 )
米 新規失業保険申請件数
注目されたFOMCでは市場予想通り政策変更はなく、声明文でも、労働市場と住宅市場の改善は指摘されたものの、利上げの時期については特にヒントはなく、概ね前回声明文と同様な内容でした。
ドル円は声明分発表直後は売られたものの、これは利上げを正当化する条件として、労働市場がさらに「幾分か」改善することとあり、「幾分か」(SOME)という1語が加えられていたことに反応したものと思われます。ドル円はその後、株式市場が前日同様大きく上昇したことや、長期金利も上昇したことで、わずかですが124円台に乗せています。
今回のFOMC声明文を受けて、利上げが9月なのか、あるいは12月なのか市場の見方は分かれています。言えることは、現時点でも9月の利上げの可能性は排除されていないということです。労働・住宅市場の改善は指摘されたものの、インフレ率については原油価格の下落が、FOMCメンバーの自信をやや後退させていると見られます。
今回のFOMC声明文を評して、「ややハト派的だった」との意見もありますが、全体的にみれば、米ウェルズ・ファーゴのストラテジストがコメントしていたように「1歩進んで、1歩下がる」という表現が適切だったと思われます。(ブルームバーグ)
ドル円は先週金曜日以来の124円台を回復する場面もありましたが、まだ124円台で安定するかどうかは不明です。依然として、利上げの時期については読みきれないことに加え、原油価格、あるいは中国株など波乱要因は消えていません。また、米長期金利が2.28%台で推移していることも、市場がリスクに対して警戒感を持っている証左ともいえます。
ドル円は今週月曜日に123円近辺まで売られましたが、「日足」ではしっかり「雲」の上限でサポートされていました。短期的な動きを示す「1時間足」では、一旦「雲」を下抜けしましたが、現在は再び「雲」を上抜けし、上昇傾向を見せています。FOMCを無事通過したことで、市場の関心は今夜のGDPに移りました。
米第2四半期GDP速報値は、事前予想が2.5%と見られていますが、どちらかといえば上振れ予想が多いようです。仮にこの予想を上回る結果が出れば、9月の利上げ観測が強まり、ドル円には買い材料になりますが、一方で利上げを嫌気して株価が下落すれば、こちらはドルの下落材料になります。どう反応するのかは、その時の市場参加者の思惑やポジションの傾きなどで異なるため、何とも言えません。
依然として株価を睨んでの展開になりますが、本日の予想もGDP発表を踏まえて、123円30銭~124円70銭程度と、ややワイドレンジを予想します。上値のメドは先週も何度か試して抜けなかった124円台半ばです。ここを抜ければ、約1ヶ月半ぶりのドル高水準ということになります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
FOMC声明文では労働・住宅市場は改善しているとしたものの、利上げの時期を巡るヒントはなく、ほぼニュートラル。ドル円は株価が上昇し、金利も上昇したことで124円台に乗せる場面も。ドル高の流れに、ユーロドルも前日の水準からやや下落。1.09台半ばまで売られたものの、方向感は依然として不透明。
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2015-07-30 09:30