クセスホールディングは国の重点政策を背景とする中期成長力に変化なし

■きっかけ次第でボックス上放れ   保育園運営のサクセスホールディングス <6065> (東2)の株価はボックス展開が続いているが、待機児童解消、子育て支援拡充、働く女性支援という国の重点政策を背景とする中期成長力に変化はなく、きっかけ次第でボックス上放れの展開だろう。   保育園運営のサクセスアカデミーの持株会社で、病院・大学・企業などの事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可保育園・認証保育所・公設民営保育園・学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設など公的保育施設を運営する公的保育事業を展開している。13年12月末の運営施設数は受託保育事業171施設、公的保育事業63施設(うち認可保育園35施設、認証保育所5施設、学童クラブ等23施設)の合計234施設である。地域別には神奈川県と東京都を地盤としている。   重点戦略として受託保育事業と公的保育事業の連携、施設の新規開設、施設運営効率の向上、人材の確保・育成面でのジェイコムホールディングス <2462> グループとの連携強化、認可保育園開設用不動産の確保などを掲げ、さらに24時間保育や英語教育の実施など高付加価値の保育サービスの提供、多様な保育需要に応じたサービスの提供も強化する方針だ。都市部を中心に保育サービスの需要は高水準であり、国や地方自治体の待機児童解消に向けた取り組みも、規制緩和や保育士待遇改善などの動きが活発化している。中期的にも収益拡大基調だろう。   2月7日に発表した前期(13年12月期)連結業績は、売上高が前々期比19.7%増の86億73百万円、営業利益が同35.5%増の5億59百万円、経常利益が同6.9%増の7億05百万円、純利益が同13.5%増の4億円だった。期初計画を上回る増収増益だった。配当は第2四半期末の記念配当5円を含む年間25円(第2四半期末15円、期末10円)とした。   営業外収益の公的保育事業に係る設備補助金収入が減少したため経常利益の伸びは一桁にとどまったが、営業利益は大幅増益だった。新規施設の開設、既存施設の稼働率上昇、運営の効率化などが寄与した。新規開設は受託保育事業で24件(病院内保育施設12件、大学内保育施設5件、その他の保育施設7件)、公的保育事業で9件(認可保育園6件、学童クラブ等3件)だった。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比13.3%増の98億26百万円、営業利益が同16.5%減の4億67百万円、経常利益が同7.1%増の7億55百万円、純利益が同7.3%増の4億30百万円、配当予想は前期比5円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。   認可保育園を中心とする新規施設開設や利用者数増加で大幅増収見込みだ。認可保育園開園に伴う準備費用増加や保育士確保に伴う採用活動費用増加などで営業減益見込みだが、経常利益と純利益は営業外収益の公的保育事業に係る設備補助金収入が増加するため増益見込みだ。   株価の動きを見ると、昨年10月以降は概ね1800円~2000円近辺のレンジでボックス展開が続いている。足元では全般地合い悪化の影響を受けて反落し、2月4日に1710円まで下押す場面があったが、リスク回避の売り一巡後は切り返す動きとなった。   2月13日の終値1796円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円05銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間配当30円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS327円76銭で算出)は5.5倍近辺である。週足チャートで見ると、2月上旬の急落で26週移動平均線を割り込んだが、長い下ヒゲを付けて反発した。中期成長力を見直してボックスレンジ下限から反発の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
保育園運営のサクセスホールディングス<6065>(東2)の株価はボックス展開が続いているが、待機児童解消、子育て支援拡充、働く女性支援という国の重点政策を背景とする中期成長力に変化はなく、きっかけ次第でボックス上放れの展開だろう。
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2014-02-14 09:30