日本と大きく違う中国の宅配便システム

最近は中国も便利になりました。インターネットやスマホの普及に伴い、安く手軽に買えるタオバオをはじめとするネットショッピングが盛んになっています。それに伴って身近になってきたのが「宅配便」。これなしにはネットショッピングは語れませんよね。今日は日本とちょっと違う中国の宅配便事情のご紹介です。
■日本とはシステムが逆
中国は日本の宅配便システムとは真逆で「こちらが取りに」行きます。
日本では家で待っていれば団地の4階だろうと5階だろうと玄関先まで届けてくれますよね。中国の場合、荷物が届いたら業者から連絡があり、こちらが出向いて取りに行かなくてはなりません。
都市部にいた時は配達員が近くまでは持ってきてくれ、「今(最寄りの)○○小学校にいるから取りに来て」みたいな感じで電話があり、そこまで行って受け取りました。今住んでいる田舎では、配達サービスは全くなし、最寄りの営業所まで出向いて取りに行かなければなりません。「宅」配ではないわけです。
初めての時は衝撃を受け、「なんて怠慢なんだ」とか「なんて不便なんだ」とか思ったものです。
■なぜ宅配制ではないのか
はっきりした理由はわかりませんが、一つには特に旧市街など小さく複雑な路地が多く番地割りが曖昧で、建物に番地表示もなく、しっかりした地図も整備されていないため、住所確認・戸別配達が非常に困難だからではないかと思われます。それと人口が多いこと。必然的に荷物も多く、いちいち宅配していたのではとても対応しきれないのではないかと思います。
■こんなシステムもあり?
最初は衝撃を受けたこの「自分が取りに行く」システムですが、慣れてみてふと思うのは「こんなのもありかな?」ということです。
日本にいる頃をふりかえると、昼間は仕事や用事で家にいることはほとんどなく、結局再配達をお願いすることの方がはるかに多かったです。宅配会社も「時間帯お届けサービス」など作って対応していますが、夜や休日の配達が増え、従業員にかかる負担が増すばかりか会社の人件費も膨らむばかりです。
そう考えると中国に倣(なら)い、「仕事帰りに最寄りの営業所に取りに来てもらう」。「配達は交通手段のないお年寄りや病気の人、大きな荷物だけにする」。こんな感じにすれば時間や費用などの無駄も省け、より効率的になるのではないか……届いたコーヒーを受け取った帰り道、ふと思うのはそんなことでした。
でもよくよく考えると、私が日本にいる時に住んでいたのは田舎で、1人1台車を持っていてどこでも駐車できるような小さな町でしたし、生活パターンも割合自由が利きましたので、「取りに行く」という行為に余り不自由を感じない環境でした。
今いる町もとても小さく、大体どこでも歩いていけるような街ですのでこれまた「取りに行く」行為がそれほど苦にはなりません。こうした2つの環境を比較した時「これもありかな」ということであって、住む場所、環境によって異なるところだと思います。
まあ一概にどちらが良いとも言えませんが、とりあえず日本と大きく違う中国の宅配システムのご紹介でした。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
最近は中国も便利になりました。インターネットやスマホの普及に伴い、安く手軽に買えるタオバオをはじめとするネットショッピングが盛んになっています。それに伴って身近になってきたのが「宅配便」。これなしにはネットショッピングは語れませんよね。今日は日本とちょっと違う中国の宅配便事情のご紹介です。
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2015-07-30 10:00