少し高級なものを求める中国の人たち

 みなさんもよくご存知の通り、中国でも経済の発展中国でも中流家庭が増えつつあります。若いビジネスマンたちも例外ではなく、不自由のない生活を手にしています。  日本では、ちょっと高級感のあるお菓子とか、プレミアム缶コーヒーとか、少し高級な物がよく売れているようです。わたしたちが学生のころは、お菓子は100円前後まで、缶コーヒーだって同じくらいの値段、それ以上はちょっと高いから手を出さない。そんな感覚がありました。しかし、仕事を始め、少し自由に使えるお金を手にするようになると、ついつい高級志向になってちょっと高いものを買ってしまったりします。  これと似た現象が、現在の中国にも見られます。数年前までなら、大金持ちしかできなかった生活を、自分も楽しむことができるのです。数年前であれば外国人くらいしか利用していなかったアメリカ系の有名なカフェにも、今では席を見つけるのが難しいくらい、人がいっぱい入っています。  携帯電話も同じです。ある調査によると、中国で使われている携帯の74パーセントは、スマートフォンだそうです。中国ではここ数年、約半月分から1か月分の給料ほどの値段(日本円で約7万円から14万円くらい)の携帯が飛ぶように売れているのです。中には、そういった高い携帯を1年に1回のペースで買い換えている人たちもいます。  中国というと、自転車がたくさん走っている、そんなイメージがあったのを覚えている人も少なくないでしょう。もちろん、経済発展とともに、自転車が車へと変わりました。しかし、ここ1、2年でしょうか。また、自転車屋さんが増えてきており、自転車業界が熱いのです。  売れ筋は、ただただ頑丈そうで無骨なものではなく、洗練された機能も見た目も兼ね備えたものです。中には、海外自動車メーカのものもあります。日本円で5万円くらいから20万円くらいの自転車がラインアップされています。  健康に気を使う人も少なくありません。中国では、食品に対する信頼はないに等しいといっても過言ではありません。どんな肥料が使われているのか、農薬がどれだけ散布されたのか、農場の土壌汚染はどうなのか。全てが疑わしいのです。  そんな安くて適当なものではなく、少し高くても有機野菜や輸入食品をできるだけ食べるようにして、健康に気を使っている人たちがたくさんいます。  成功をはかる基準がお金なだけあって、少し過剰に思える高級志向が見え隠れしているのが、今の中国なのです。(執筆者:大西 秀明 提供:中国ビジネスヘッドライン)
みなさんよくご存知の通り、経済発展とともに、中国でも中流家庭が増えつつあります。若いビジネスマンたちも例外ではなく、不自由のない生活を手にしています。
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2015-07-30 10:00