企業の海外進出・・・「現地適応」で明暗=中国メディア

中国メディア・青年参考は7月29日、企業が海外市場を開拓するうえで、「ローカリゼーション」が重要であるとする評論記事を掲載した。
記事は、約30年前に提唱された「国際企業の事業は多くの国へと広がり、どの国においても同じ方式で同じ製品が販売されるようになる」という「グローバリゼーション」は実現され、今は「いかに国家間の差を克服するかが、企業のグローバル化における重要な課題になっている」と説明。
そのうえで、中国で爆発的な人気を誇る火鍋チェーン店「海底撈」が2013年に秋に満を持して米国進出を果たしたものの、アジア系住民が多い地域での出店だったにもかかわらず現地の消費者には受けが悪かったという事例を紹介した。
失敗の背景には「中華レストラン最大の特徴は安いこと」という認識がある米国において高級感を売り物にしたこと、唐辛子や中国山椒といった調味料が受け入れられなかったこと、客の要望にすぐ答えようとするサービスが裏目に出て「客の会話を盗み聞きしている」との悪評をたてられたことなどがあると解説した。そして、「根源が同じでも、国が異なれば味覚や習慣は異なるため、その消費行動に大きな差が生じる」とした。
一方で、日本の経済学界が提唱した「グローカリゼーション」を実践し、現地文化との融合を図って成功を収めている企業の例として、スターバックスコーヒーの事例を挙げた。スターバックスは2016年上半期に南アフリカでの1号店をオープンさせる予定であると紹介。そこには、同社が決して「一人歩き」で新市場を開拓することなく、必ず現地企業と協力関係を築き、現地の文化や消費者の心理を把握したうえで進出を図るという戦略があるとした。
現地の文化や習慣を軽視した失敗例として、2006年の韓国でのカルフールとウォルマートの撤退劇を挙げた。両社が1カ月のうちに相次いで撤退を発表せざるを得なかった理由は、韓国人主婦の身長を無視した倉庫式陳列方式を変えなかったことなど、韓国消費者の細かいニーズを把握しなかった点にあると解説した。
また、プエルトリコで「Fiera」という自動車を売り出したさい、当初の予測に反してさっぱり売れず、調べてみるとFieraが現地の言葉で「醜い老いた女性」という意味だったことが判明したという、トヨタの失敗談も併せて紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・青年参考は7月29日、企業が海外市場を開拓するうえで、「ローカリゼーション」が重要であるとする評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-07-31 09:00