【為替本日の注目点】米金利は依然低水準、中国株警戒感や株安から

 NY市場  米第2四半期GDPを受けて、ドル円は124円58銭まで上昇。GDPは2.3%と、予想には届かなかったものの、第1四半期が上方修正されるなど、年内利上げの見方は維持された内容。ドルが買われたことで、ユーロドルも1.08台後半まで売られる。ユーロドルは1.10台を天井に、徐々に値を下げる展開に。  株式市場はまちまち。GDP発表後急速に下げる場面もあったが、引けにかけては前日水準まで反発。結局ダウは5ドル下げたが、ナスダックは17ポイント上昇。債券相場は2年債利回りが上昇し、利上げを織り込む動きに。長期金利は若干低下し、長短金利差が拡大。金は続落。原油は小幅に反落。  4-6月期GDP(速報値 )  → +2.3%  新規失業保険申請件数  → 26.7万件  ドル/円 124.09 ~ 124.58  ユーロ/ドル 1.0894 ~ 1.0970  ユーロ/円 135.53 ~ 136.33  NYダウ -5.41 → 17,745.98ドル  GOLD -3.90 → 1,088.70ドル  WTI -0.27 → 48.52ドル  米10年国債 -0.027 → 2.262%  本日の注目イベント  豪  豪第2四半期生産者物価指数   日  6月消費者物価指数   日  6月失業率   欧  ユーロ圏6月失業率   欧  ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)   米  7月シカゴ購買部協会景気指数   米  7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)   米第2四半期GDP速報値は2.3%と、市場予想には届かなかったものの、第1四半期が上昇修正されたこともあり、多くの市場参加者は「合格点」と受け止めており、年内利上げに向けてやや前進したようです。ドル円は、発表前からじりじり買われ、発表直後下げる場面もありましたが、そこから切り返し、124円58銭までドルが買われました。  昨日のドル上昇で、6月と今月に記録したドルの高値は抜けたものの、124円50銭以上ではドル売り需要も強く、「抜け切る」までには行かなかった印象です。その後は124円09銭まで反落しましたが、124円台は維持しています。  第2四半期のGDPは、個人消費と輸出が好調だったものの、設備投資が低調だったことで、予想の2.5%に届いていませんが、第1四半期のGDPは-0.2%から+0.6%に上方修正され、これで年内利上げの観測が強まったようです。また、新規失業保険申請件数は先週より増加していたものの、トレンドを見る4週間平均では減少傾向が続いており、全体としては利上げの可能性を排除できるものではありません。  約1ヵ月半ぶりに124円台半ばまでドル高が進みましたが、ここから6月に記録した125円86銭を抜くには、近いようで遠いイメージがあります。それは、米長期金利の水準にも表れていると考えられます。長期金利は依然として2.26%台と、低水準です。米国債を「安全資産」と考えれば、その「安全資産」が買われている状況が続いているということです。中国株への警戒感、商品相場の下落、あるいは米国株の先安観測なども背景として考えらえます。  利上げが確実になり、長期金利が本格的な上昇を見せるような環境になれば、ドル円も上記最高値を更新することが十分あり得ると思いますが、まだ時間がかかりそうです。124円台を回復したドル円が粘り腰を見せ、しばらくこの水準を維持してくれれば、早い段階で125円をテストする可能性もありますが、それには124円台半ば以上にあると思われるドル売りオーダーをこなす必要があります。そして、それにはもう一段のドル買い材料が不可欠です。  今週はFOMCを通過し、GDPも無事こなしました。残るは来週の雇用統計ということになりますが、今夜も比較的重要な経済指標の発表があります。予想レンジは123円70銭~124円70銭程度とします。  今日で7月も終わります。連日35度前後の気温が続き、夏本番といったところです。子供にとっては「夏休みはまだ1ヶ月もある」と言うでしょうが、われわれにとっては「この暑さがまだ1ヶ月もあるのか」といったところでしょうか。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米第2四半期GDPを受けて、ドル円は124円58銭まで上昇。GDPは2.3%と、予想には届かなかったものの、第1四半期が上方修正されるなど、年内利上げの見方は維持された内容。ドルが買われたことで、ユーロドルも1.08台後半まで売られる。ユーロドルは1.10台を天井に、徐々に値を下げる展開に。
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2015-07-31 09:30