M&Aキャピタルパートナーズが経常利益68%増、第3四半期累計で過去最高更新

 M&Aキャピタルパートナーズ <6080> が2015年7月30日に発表した2015年9月期第3四半期決算は、売上高20.67億円(前年同期比57.0%増)、経常利益11.05億円(同68.2%増)と第3四半期累計で過去最高を更新した。成約件数が第3四半期累計で34件(同25.9%増)と前年通期(35件)とほぼ並ぶ水準を獲得したことが、好調な業績の背景。同社代表取締役社長の中村悟氏(写真)は、「M&Aを仲介するコンサルタント数の順調な増加が成約件数の増加に直結している。事業承継などを巡ってM&Aの潜在ニーズは依然として大きく、引き続き相談対応力を拡充することによって成長を持続させることが可能」と語っている。  同社は7月15日に通期の業績予想を上方修正し、通期売上高を26.65億円(前期比59.8%増)、経常利益13.99億円(同73.1%増)にした。修正理由は「第1、第2四半期に続いて第3四半期も成約件数が順調に推移し、かつ、大型案件の成約が寄与」としていたが、第3四半期の決算でそれを裏付けた。  中村社長は、「現在、日本で実施されているM&Aの件数は公表されていない案件も含めると年間で1万件程度に上ると推計されるが、現実には全国240万の株式会社のうち、黒字経営をしていて社長が60歳以上で、かつ、後継者に困っている企業は20万社程度に上ると考えられ、事業承継の手段としてM&Aの潜在ニーズは膨大。実際に、セミナーやホームページなどを通じて、当社にいただく相談件数は増加し、対応が追いつかない状況になっている」と現状を説明。  コンサルタントの拡充が急務となっているが、「幸い2014年12月に東証1部に上場したこともあり、求職希望者の応募が増加。しかも、優秀な人材が応募してきている。コンサルタントの増員を年率25%増で進める方針を明確にしてきたが、これは、既存のコンサルタントの4人に1人を新人として育成しつつ業容の拡大を図る上で設定している目標。コンサルタントの質を落とすことなく、拡大する需要に応えられる体制の構築を進めたい」(中村社長)と語っている。  一方で、経営者向けのM&Aセミナーは引き続き積極的に実施している。経済メディアと連携した大規模セミナーは8月~9月に大阪、福岡、東京で開催。福岡では初めての開催になるなど、東京・大阪で実施してきたセミナーの地方展開を図っている。また、次期の年度になる10月~11月にも東京、大阪、名古屋、福岡で大規模セミナーを予定。名古屋でも初開催となる。引き続き、大規模セミナーや業種別セミナー等を実施し、積極的な情報発信をしていくとしている。  さらに、地方銀行や地域の税理士・会計士との連携も強化。「地域の金融機関や税理士・会計士の方々は、地域事情に精通されている。当社が連携することによって、九州の会社と首都圏の会社のマッチングなど、全国規模で最適なマッチングをスムーズに行うことができる。連携を強化して、地方でのM&Aニーズに積極的に応えていきたい」(中村社長)という。(取材・編集担当:徳永浩)
 M&Aキャピタルパートナーズが2015年7月30日に発表した2015年9月期第3四半期決算は、売上高20.67億円(前年同期比57.0%増)、経常利益11.05億円(同68.2%増)と第3四半期累計で過去最高を更新した。(写真は、M&Aキャピタルパートナーズ代表取締役社長の中村悟氏)
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2015-07-31 10:45