【為替本日の注目点】ドル円反落「利上げ」めぐり米重要指標に注目
NY市場
124円台で推移していたドル円は、第2四半期の賃金の伸びが鈍化したことでドル売りが加速。一時123円52銭までドルが急落したが、セントルイス連銀総裁の9月利上げに前向きな発言が伝わったことで123円90-00まで反発して引ける。ユーロドルは1.1台に乗せると売られる展開が続いており、上値は重く、方向感がでず。
株式市場は続落。エクソンなどの決算が予想を下回ったことで売りが膨らんだ。ダウは56ドル下落し、S&P500は下落したものの、月間ではプラスで終わった。債券相場は続伸し、長期金利は1ヶ月ぶりに2.18%台と低い水準に。賃金の伸び悩みで、債券買いが優勢に。金は反発し、原油は大幅に続落し47ドル台前半に。
7月シカゴ購買部協会景気指数 → 54.7
7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 93.1
ドル/円 123.52 ~ 124.37
ユーロ/ドル 1.0963 ~ 1.1114
ユーロ/円 135.95 ~ 137.34
NYダウ -56.12 → 17,689.86ドル
GOLD +6.40 → 1,095.10ドル
WTI -1.40 → 47.12ドル
米10年国債 -0.012 → 2.180%
本日の注目イベント
中 中国7月財新製造業PMI(確報値)
欧 ユーロ圏7月製造業PMI(改定値)
英 英7月製造業PMI
米 6月個人所得
米 6月個人支出
米 6月PCEコアデフレーター
米 7月ISM製造業景況指数
セントルイス連銀のブラード総裁は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューで、「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」などと発言し、9月利上げに前向きの姿勢を見せました。
先週末のNYではドル円は124円台で推移していたものの、第2四半期の賃金の伸びが予想よりも鈍化していたことでドルが急落し、一時123円52銭までドル安が進みましたが、上記発言が伝えられるとドルが買い戻され、124円手前まで反発して越週しました。
ドル円はまだ下落に転じたわけではありませんが、今回も現時点では124円台半ばで上昇が止められています。やはり、125円台に乗せるには、もう一つインパクトのある材料が必要だと思われ、その有力な候補が9月利上げの確実性と言えます。現在9月利上げの可能性を巡っては五分五分と見られますが、この見方がさらに強まるようだと、ドルがレンジを上抜けして上昇することができると予想しています。
その鍵を握るのが、先週発表された第2四半期のGDPであり、さらに今週末に発表される7月の雇用統計であることは言うまでもありません。上記ブラード総裁も、9月利上げに前向きな姿勢を見せたものの、「金融政策は依然としてデータ次第だ」とも述べています。先週のGDPは予想の2.5%に対して2.3%と予想を下回ったものの、第1四半期分が上方修正されたことで、まずまずの結果でした。
ただ、先週末に発表された4-6月期の雇用コスト指数は「+0.2%」と、過去最低の伸びとなったため、9月利上げ見通しが後退しています。こうなると、今週末の雇用統計がますます重要性を増してきます。
これまでの米経済指標を俯瞰すると、悪くはないが、極めて好調というわけでもなく、このあたりが利上げ実施が9月なのか、12月なのか見極められない原因となっています。FRBとしても、9月に利上げするほど好調ではないが、来年に延ばすほど景気は悪くはないといった、悩ましい状況に直面しているのではないかと推測しています。
またFRBとしても外部環境にも慎重な目配りをしていると思われます。ギリシャ問題はひとまず峠を越えたものの、中国の景気と株価、さらには原油安などがそれです。先週土曜日には中国で7月のPMIが発表されました。製造業PMIは「50.0」で予想を下回り、非製造業は「53.9」と、予想を上回ったものの、依然として回復には程遠い内容でした。
8月に入って、参加者が徐々に減ってきますが、今年は「利上げ」というビッグイベントが控えているため、気を抜くわけにはいきません。特に今週は、本日の個人消費支出を皮切りに重要指標が待ち構えています。本日のレンジは123円50銭~124円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
124円台で推移していたドル円は、第2四半期の賃金の伸びが鈍化したことでドル売りが加速。一時123円52銭までドルが急落したが、セントルイス連銀総裁の9月利上げに前向きな発言が伝わったことで123円90-00まで反発して引ける。ユーロドルは1.1台に乗せると売られる展開が続いており、上値は重く、方向感がでず。
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2015-08-03 10:15