世界との産業競争・・・「基幹技術」が勝敗分ける=中国メディア

 中国メディアの人民日報は2日、中国科学技術大学の胡化凱教授による手記を掲載し、基幹技術の有無が勝敗を左右する時代において、中国は多くの産業において基幹技術を持たないと警鐘を鳴らす記事を掲載した。  記事は、現代において国が「強国」となるうえでは科学技術の高さが必要になると伝え、科学技術のなかでも基幹技術がもっとも重要視されていることを指摘し、あらゆる産業において、世界との競争においては「基幹技術の有無が勝敗を左右する」と論じた。  さらに、中国の習近平国家主席が「基幹技術を獲得してこそ、競争における主導権を握ることができ、そのようにしてこそ国家の経済や国防面における安全も保障される」と述べたことを紹介。また、これまでの歴史上でも、16世紀にいち早く航海術を獲得したポルトガルやスペインが世界で大きな存在感を示し、18世紀には英国は蒸気機関の技術を獲得し、工業国家として大きく成長したなどと例を挙げた。  続けて、中国は他国が基幹技術を持つことによって、産業面では「薄利」の立場に追い込まれているうえに、国家の情報セキュリティも脅威に直面していると主張。中国は携帯電話の生産大国だとし、世界の70%以上の携帯電話が中国で生産されているとしながらも、携帯電話の基幹部品の1つであるチップにおいて中国産が使用されている割合は全体の3%に満たないと指摘した。  さらに、近年は各産業においてロボットを活用することが世界的に注目を集めており、将来的にロボット産業は巨大な市場に成長する見込みだとする一方、ロボット技術において基幹技術を有しているのは日本やドイツ、米国などの企業だと指摘し、「日米独がロボットの生産において絶対的な優勢にある」と論じた。  一方の中国は「ロボット産業はまだまだ立ち上がったばかり」と指摘し、業界をリードする日米独などの模倣・追随にとどまり、「ロボット産業で獲得できる利益もごくわずか」と紹介。こうした現状を変えるためには「中国は自ら基幹技術を獲得し、イノベーションが発展をもたらすような産業構造を構築する必要がある」と警鐘を鳴らした。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの人民日報は2日、中国科学技術大学の胡化凱教授による手記を掲載し、基幹技術の有無が勝敗を左右する時代において、中国は多くの産業において基幹技術を持たないと警鐘を鳴らす記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-08-03 13:00