「日本の『サービス神話』を損ねないで!」・・・タクシー乗車拒否された中国人が主張

日本に住む中国人という蔡成平さん(アカウント名)が「中国人という理由で、タクシーに乗車拒否された」と、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)に書き込んだのは7月28日だった。その後、多少の「もつれ」はあったがタクシー会社の責任者(中国語原文では総裁と副総裁)が蔡さんを訪れ謝罪したことは評価。また、微博に付帯するコラムで、サービス業の質が高い日本の神話を損ねてほしくないとして、「日本がこの美徳を失ったら日本は日本でなくなる」などと主張した。同問題では中国で大きな話題になった。
蔡さんは最初の書き込みでは、相当な怒りを示した。「日本に長くいるが、中国人ということで乗車拒否をする質の悪い(タクシー)運転手に出くわしたのは初めてだ」など記し、タクシー会社に抗議すると宣言した。
次の書き込みは7月30日午前で、タクシー会社から連絡があり、総裁、副総裁らが同日午後に蔡さんの仕事場に足を運び謝罪することになったと報告した。蔡さんは「やはりこういうのが日本の会社。日本がこの美徳を失ったら日本は日本でなくなる」と感想を述べた。
蔡さんはさらに、「もしも差別が蔓延したら、日本にいる外国人は差別に耐え続けねばならなくなる」と、自分がタクシー会社に抗議した理由を説明。「人はみな同じ。国境や人種には関係なく、中国と日本が双方とも、もっとうまくやっていきたい」との考えも紹介した。
蔡さんが、別に書いた文章も公開された。タクシー会社の当初の対応に納得できない面もあったが、蔡さんは最終的に、会社の責任者が来訪して謝罪することを受け入れた。
蔡さんは、謝罪する会社責任者に、抗議を続けたのは問題を起こした運転手の厳罰を求めたからではないと説明。しっかりと指導して同様の問題が2度と発生しないようにしてもらえればよく、「サービスの質が極めて高い」という“日本の神話”を損ねたくないのは、タクシー会社側も同じはずなどと、会社責任者の考えを改めて確認したという。
会社側の用意した謝罪文を受け取り、しばらく会話した後に、蔡さんは、会社責任者をエレベーターまで見送った。エレベーターの中で、再び深々と頭を下げる彼らに対して「会社経営はご苦労様です」などと声をかけたという。
上記顛末に、多くの中国人がコメントを寄せた。「いいね」が多いのは、日本企業のサービスの高さや、一般の日本人の親切さを紹介するものだ。「中国でこの基準で処理したら、タクシー会社はいったいどれだけの会社幹部を用意すれば間に合うのだ」と、中国での乗車拒否の多さを皮肉る書き込みもある。(編集担当:如月隼人)(写真は蔡成平の微博公式アカウント・トップページのキャプチャー)
日本に住む中国人という蔡成平さん(アカウント名)が「中国人という理由で、タクシーに乗車拒否された」と、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)に書き込んだのは7月28日だった。その後、多少の「もつれ」はあったがタクシー会社の責任者(中国語原文では総裁と副総裁)が蔡さんを訪れ謝罪したことは評価。(写真は蔡成平の微博公式アカウント・トップページのキャプチャー)
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2015-08-03 15:15