【為替本日の注目点】連銀総裁発言でドル円小幅上昇、ADPに注目
NY市場
124円を挟んでもみ合っていたドル円は、アトランタ連銀総裁が9月の利上げに前向きな発言をしたとの報道にドルが買われた。長期金利も上昇に転じ、ドル円は124円40銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。ドル買いが進行し、ユーロドルも1.09を割り込み、1.0879までユーロが売られる。
NYダウは4日続落。決算発表への失望売りに加え、9月利上げ観測が高まったことで主要株価指数は軟調。ダウは47ドル下落し、年初来安値に近づく。債券相場は反落。連銀総裁発言や、原油価格の反発に利益確定の売りが優勢となり、長期金利は2.22%台まで急上昇。金、原油は小幅反発。
ドル/円 123.89 ~ 124.40
ユーロ/ドル 1.0879 ~ 1.0982
ユーロ/円 135.27 ~ 136.13
NYダウ -47.51 → 17,550.69ドル
GOLD +1.30 → 1,090.70ドル
WTI +0.57 → 45.74ドル
米10年国債 +0.074 → 2.223%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏7月非製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏6月小売売上高
米 7月ADP雇用者数
米 6月貿易収支
米 7月ISM非製造業景況指数
米国の年内利上げはある程度予測できても、それが9月なのか、あるいは12月になるのかを巡っては市場の意見も分かれています。昨日のNY市場では、FOMCでの投票権を有しているアトランタ連銀のロックハート総裁が、9月の利上げが適切との認識を示したことで、株価が下落。債券も売られて金利が上昇し、ドルも主要通貨に対して買われ、ドル円は124円40銭まで上昇しています。
ロックハート総裁は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューで、「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」と発言し、FOMCは利上げの用意が整う位置に接近しつつあると指摘し、その上で、データが顕著に悪化した場合は、先延ばしすることにも納得すると述べています。(ブルームバーグ)
先週7月末にも、セントルイス連銀総裁が利上げに前向きな発言をしてドル買いが強まった経緯もありましたが、ここに来て要人による利上げ発言は増えてきています。個人的には一貫して9月利上げを予想して来ましたが、FOMCでの投票権を持っている連銀総裁の発言だけに、心強い援軍と受けとめています。
この発言により、124円を挟んでもみ合いが続いていたドル円は、124円40銭まで買われ、ユーロドルも再び1.09台を割り込むなど、ドル買いが強まっています。また、利上げを嫌ってNYダウは4日続落し、堅調に買われていた米国債も一転して売られ、長期金利の上昇につながっています。
もっとも、このまま125円台に乗せるかどうかは不透明ですが、先週の雇用コスト指数や、ISM製造業景況指数などの経済指標の悪化にドルが売られても123円台後半までで、反発しています。市場は徐々に、「9月利上げ」を織り込んできたと見れないこともありません。
124円40銭までドルが買われたことで、「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成しつつあった「1時間足」では上抜けを完成させています。7月30日の124円58銭を頂点とする抵抗線を、昨日抜けています。これは「1時間足」という短期的な動きを示しているに過ぎないため、ここから上記124円58銭を抜いていくかどうかはまだわかりませんが、安易なショートメイクには注意が必要でしょう。
今週は124円近辺の動きが続いていますが、雇用統計を控えていることを考えると、発表前までに125円をテストする可能性は低いと思われます。雇用統計が予想よりも上振れしてはじめて、125円を試しにいけるのではないかと思われますが、その雇用統計も、開けてみなければ分からない部分もあります。今夜のADP雇用者数にも注目が集まります。
先ずは124円台を維持できるかどうかが重要ですが、上値のメドは上記124円58銭近辺です。本日のレンジは123円90銭ー124円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
124円を挟んでもみ合っていたドル円は、アトランタ連銀総裁が9月の利上げに前向きな発言をしたとの報道にドルが買われた。長期金利も上昇に転じ、ドル円は124円40銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。ドル買いが進行し、ユーロドルも1.09を割り込み、1.0879までユーロが売られる。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2015-08-05 09:30