サムコは地合い悪化の影響で一旦反落したが切り返しの動き

■今期好業績を評価する流れに変化なし   半導体製造装置のサムコ <6387> の株価は、年初の急騰の反動や2月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて高値圏から反落する場面があったが、足元では切り返しの動きを強めている。今期(14年7月期)好業績見通しを評価する流れに変化はなく、上値追いの展開だろう。   1979年設立(サムコインターナショナル研究所、2004年に現社名に変更)である。半導体・電子部品製造業界向けに薄膜を形成するCVD(化学気相成長)装置、薄膜を微細加工するドライエッチング装置、基板表面をクリーニングするドライ洗浄装置などの製造・販売事業を展開している。特に、次世代半導体材料である窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素(SiC)など化合物半導体製造用を主力製品としている。   研究開発については当社研究開発センター(京都本社)、オプトフィルムス研究所(米国シリコンバレー)、サムコケンブリッジラボラトリー(英国ケンブリッジ大学内)の日米欧3極体制を構築しており、コアテクノロジーである「薄膜技術」をベースとしてCVD装置、エッチング装置、洗浄装置に次いで第4の柱となる新製品の開発も進めている。   2月14日には、半導体精密洗浄装置を製造・販売するリヒテンシュタイン公国UCP社の株式90%を取得(14年4月末に株式譲渡契約締結予定)することに合意したと発表している。当社のプラズマ洗浄装置などとのシナジー効果が期待でき、当社のCVD装置・エッチング装置などの欧州市場での販売網・サービス拠点とする方針だ。   今期(14年7月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比20.2%増の50億50百万円、営業利益が同82.6%増の6億25百万円、経常利益が同9.0%増の6億15百万円、純利益が同7.2%増の3億80百万円としている。オプトエレクトロニクス分野では国内の高輝度LED用途や海外の照明用LED用途など、CVD装置やエッチング装置の大型案件が寄与する見込みだ。   第1四半期(8月~10月)は大型案件の出荷前端境期となり、前年同期比減収で営業赤字だったが、受注高は同4.9%増の11億79百万円だった。国内大型案件を中心に堅調に推移しているようだ。第1四半期末の受注残高も同62.6%増の15億91百万円と高水準である。通期ベースでは大型案件が寄与して好業績が期待される。   株価の動き(13年7月24日付でJASDAQ市場から東証2部市場に市場変更、14年1月9日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、昨年末に900円台の上値フシ突破して上げ足を加速し、1月16日には1525円まで上値を伸ばす場面があった。その後は目先的な過熱感を強めて上げ一服の形となり、2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて2月4日の1099円まで調整する場面があった。しかし足元では1400円近辺まで切り返して高値を窺っている。今期好業績を評価する動きだろう。   2月14日の終値1395円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS54円02銭で算出)は26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS972円02銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると2月上旬の急落は13週移動平均線近辺から反発した。サポートラインを確認して強基調を維持している。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
半導体製造装置のサムコ<6387>(東1)の株価は、年初の急騰の反動や2月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて高値圏から反落する場面があったが、足元では切り返しの動きを強めている。
economic
2014-02-17 09:15