春節の縁起物・・・ミカンは正月ムード高める華やかな「かざり」

中国では、春節(旧正月)が本当の意味での「年越し」です。その前後1カ月は、いたるところに「福」の字、中国伝統の組みひも、魚の形などの縁起ものが飾られて、街全体がおめでたい華やかな雰囲気に包まれます。
■お祝いムードを高める華やかな「かざり」
西暦の元旦が過ぎてすぐ、オフィスビルのロビーに2つの巨大な縁起物がやってきました。本物の「ミカン」で作られています! 高さが2メートルもあり、迫力がありますよね。
濃い緑の葉の間から、赤色に近いミカンたちが行儀よく並び、赤色のお年玉袋と金箔の紙で包まれた大きな鉢は、まるで「お正月だよ!」と宣言しているかのようです。
ミカンと枝の中で、きらきら揺れている「賀」の文字が書かれた赤い小さな紙が「お年玉袋」です。これは年越し、そしてボーナスをもらえる時期ならではの飾りです。「お年玉袋にいくら入っているんだろう?」とみんな冗談を言いながら通り過ぎています。
ロビーは2階までの吹き抜けになっているので、毎朝まぶしいほどの日差しが天井のガラスから差し込んできます。その朝日を浴びたミカンたちが元気いっぱい笑っているように見え、冬の寒さや通勤の疲れが一気に吹き飛びます。
■なぜ「ミカン」が縁起物なのか?
ミカンは中国語で「橘子」と書きます。華南地域(中国の南部)の方言では「橘」の発音が「吉」と似ていることから、ミカンも縁起物のひとつとして春節の時に飾られます。特に南地域の代表都市広州ではお正月の時、豊作(お金)と良いことを願うために「金橘」(きんかん)を家の玄関に置く習慣があります。
そういえば、日本語の「橘」も「吉」と同じ発音ですね。鏡もちの上にミカンを飾りますが、中国と同じように縁起物の意味なのでしょうか?
日本のドラマでは、ミカンを囲んでこたつで話すのが冬の家族団らんの定番シーンでしたね。最近は床暖房やエアコンの普及でこのような光景を目にすることが少なくなったかもしれませんが、来年のお正月には、テーブルにミカンを山盛りにして家族同士で会話を弾ませたらいかが? きっと、新しい年に「吉」も「福」もいっぱい来ますよ!(執筆者:薛 晴 提供:中国ビジネスヘッドライン)
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◆解説◆
日本では鏡もちの上に、今では「ミカン」を乗せることが多いが、正式には同じミカン科ミカン属でも「橙(だいだい)」の実を用いる。語音が「代々栄える」に通じることからの縁起かつぎという説明が一般的だ。(編集担当:如月隼人)
中国では、春節(旧正月)が本当の意味での「年越し」です。その前後1カ月は、いたるところに「福」の字、中国伝統の組みひも、魚の形などの縁起ものが飾られて、街全体がおめでたい華やかな雰囲気に包まれます。
2014-02-18 07:00