【為替本日の注目点】ドル円FOMC結果前に下落、緩和縮小見送り観測がやや高まり
NY市場
ドル円はFOMCの結果を予想しながらもみ合いが続く。103円近辺を頭に株安と長期金利の低下を睨みながらドルが緩やかに下落し、一時は102円半ばまで下落。CPIが予想ほど上昇していなかったことで「緩和縮小」見送り観測がやや高まった。
ユーロドルも上値が重い展開に。ドル円の下落に伴い、ユーロ円でも売りが優勢となり、ユーロドルの上昇を抑えた。ユーロドルは1.37台前半まで下落した後反発し、1.37台半ばに。
株式市場はFOMCの結果発表を前にポジション調整中心の動きに。ダウは9ドル安と小幅に下落。
債券相場は反発。神経質な展開が続く中、株安から価格は小幅に上昇。2年債入札で旺盛な需要が見られたことも価格上昇につながった。金、原油はともに反落。
11月消費者物価指数 → 0.0%
12月NAHB住宅市場指数 → 58
ドル/円 102.50 ~103.03
ユーロ/ドル 1.3723 ~ 1.3774
ユーロ/円 140.98 ~ 141.74
NYダウ -9.31 → 15,875.26ドル
GOLD -14.30 → 1,230.10ドル
WTI -0.26 → 97.22ドル
米10年国債 -0.040 → 2.839%
本日の注目イベント
日 10月貿易収支
中 中国 11月景気先行指数
独 独10月ifo景況感指数
英 BOE議事録(4、5日分)
英 11月失業率
米 FOMC政策発表
米 バーナンキ・FRB議長記者会見
米 9月、10月、11月住宅着工件数
米 11月建設許可件数
いよいよ年内最後の重要イベントであるFOMCが始まりました。市場では「五分五分」との見方が主流ですが、ドル円は103円近辺を頭に緩やかに下落し、一時は102円台半ばまで円買いが進みました。「五分五分」とは見られても、「緩和縮小」は見送られるとの見方が根強く、この日発表された消費者物価指数が予想より低水準だったことで、ポジション調整でも一旦は利益確定のドル売りが勝った格好でした。
個人的にはこれまで述べて来たように、「緩和縮小」は見送られる方に傾いていますが、仮にそうだった場合の為替の反応は簡単ではありません。中長期的な観点に立てば、「緩和縮小」はドル高円安要因であることに異論はないでしょう。従って、「緩和縮小」が見送られた場合には「ドル安円高」方向に振れることが予想されます。市場参加者の半分が「緩和縮小」を予想していることから、それが見送られた場合の最初の反応はドルが売られると予想されます。
その後明日の朝方の4時からは、FF金利動向に関する政策当局者の見通しも含めて経済見通しが発表され、4時半からはバーナンキ議長の記者会見が行われます。バーナンキ議長は来年1月末で退任することが決まっているため、今回が「最後の記者会見」ということになります。ここでどのような発言を行うかが注目されますが、すでに退任が決まっており、今後の金融政策への影響力が無くなることから、今回の発言はこれまでほど重要ではないと思われます。
むしろ為替にとってはFOMCの決定を受けて、株式市場と債券市場がどのような反応を示すかが極めて重要です。「緩和縮小」が見送られれば、ひとまず株価は上昇を見せ、債券も買われるものと予想されるため、ドル安円高が進んだとしても100円を割り込むような急激な円高の可能性は低いと見ています。仮に今回「縮小」が見送られたとしても、足元の米国の経済データが示すように「緩和縮小」は時間の問題だからです。
もちろん「緩和縮小」が決定される可能性もありますが、その際にはその規模や、国債とMBS(住宅ローン担保証券)の購入額をどのような割り合いで減額するのかも注目されます。そして「緩和縮小」が決定された場合の株式と債券市場の動揺を抑えるため、その後も緩和的な政策が継続されるなどのフォワードガイダンスにも併せて言及されるのではないかと考えられます。「ゼロ金利」の解除は早くても2015年と見られていることから、改めてそのあたりに触れてくることもあり得そうです。
海外では来週からはクリスマス休暇に入る市場参加者も多いと思われます。今年最後の重要イベントに併せてポジションを解消する動きも予想されます。値幅も拡大しそうなことから、ポジションの管理には十分注意して下さい。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はFOMCの結果を予想しながらもみ合いが続く。103円近辺を頭に株安と長期金利の低下を睨みながらドルが緩やかに下落し、一時は102円半ばまで下落。CPIが予想ほど上昇していなかったことで「緩和縮小」見送り観測がやや高まった。
gaitameonline,gaitamedotinterview
2013-12-18 09:45