【話題】鉄鋼セクターに注目の芽

■中国が大気汚染対策で製鉄所閉鎖強化   鉄鋼セクターに注目したい。中国が大気汚染対策で製鉄所の閉鎖を強化している。中国の設備過剰感後退はアジア市場での市況上昇に繋がるため、日本の鉄鋼メーカーにとってもプラス要因となりそうだ。   12月17日付のロイターの報道によると、中国政府が深刻化する大気汚染問題に対する取り組みとして、環境対策などで基準を満たさない製鉄所の閉鎖を進めている。すでに河北省、山東省、河南省では13年9月から生産縮小を命じられているが、中国政府は取り組みを一段と強化する方針で、14年には生産がさらに縮小する可能性が高まっているようだ。こうした状況も背景として上海鉄鋼先物市場は11週ぶりの高値水準に上昇している。   中国の設備過剰問題は鉄鋼分野にとどまらないが、特に鉄鋼分野では中国の設備過剰感がアジア市場の市況圧迫要因として大きな影響力を持っている。中国政府の取り組み強化で生産縮小、さらに製鉄所廃止による設備過剰感が後退すれば、アジア市場の市況上昇要因となりそうだ。   鉄鋼セクターでは、国内では震災復興関連、老朽化インフラ更新関連、高水準の都市再開発やマンション建築などを背景として需要が増加基調であり、新日鐵住金 <5401> や東京製鐵 <5423> など大手メーカーが、H型鋼や棒鋼など建築用鋼材の値上げを進め、市況は上昇傾向を強めている。自動車用鋼板は14年春の価格交渉が焦点となるが、建設用型鋼・棒鋼などに関しては20年東京夏季五輪やリニア中央新幹線などのビッグプロジェクトも追い風となり、事業環境は明るさを増している。   そして中国の生産縮小や製鉄所廃止による供給過剰感後退、円安進行に伴う輸出採算改善も加われば、大手鉄鋼メーカーの収益改善に繋がりそうだ。新日鐵住金、東京製鐵のほか、神戸製鋼所 <5406> 、JFEホールディングス <5411> 、大和工業 <5444> などにも注目しておきたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
鉄鋼セクターに注目したい。中国が大気汚染対策で製鉄所の閉鎖を強化している。中国の設備過剰感後退はアジア市場での市況上昇に繋がるため、日本の鉄鋼メーカーにとってもプラス要因となりそうだ。
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2013-12-18 10:00