【為替本日の注目点】株価反発でドル円上昇も、米中景気後退が上値抑える要因に
NY市場
ドル円は中国PMIが2ヵ月連続で「50」を割り込んだことから中国景気への懸念が強まりドル売り円買いが膨らんだ。ドル円は101円61銭まで下落した後、米長期金利と株価の上昇に伴い102円25-30銭まで戻して引ける。
ユーロドルはユーロ圏の景況感の悪化に1.37台がやや重くなり、1.36台後半まで売られたものの勢いはなく、1.37台前半まで反発。
株式市場は3営業日振りに反発。フェイスブックのM&Aを好感するなどダウは100ドルを超える上昇を見せたが引けは92ドル高。
債券相場は続落。緩和縮小観測は根強く、軟調な経済指標は寒波の影響との見方が改めて強まった。長期金利は2.75%台まで上昇。
金は続落し、原油も小幅ながら続落。
1月消費者物価指数 → +0.1%
新規失業保険申請件数 → 33・6万件
ドル/円 101.97 ~ 102.41
ユーロ/ドル 1.3688 ~ 1.3728
ユーロ/円 139.73 ~ 140.44
NYダウ +92.67 → 16,133.23ドル
GOLD -3.50 → 1,316.90ドル
WTI -0.39 → 102.92ドル
米10年国債 +0.016 → 2.750%
本日の注目イベント
英 英1月小売売上高
米 1月中古住宅販売件数
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
加 カナダ1月消費者物価指数
昨日の東京時間には2つの経済指標が発表され、いずれも市場のサプライズを誘う結果でした。先ずは本邦の1月の貿易収支です。1月は例年輸出が鈍化することから「貿易赤字」が拡大しやすい月ですが、今年の赤字額は突出していました。市場予想は2兆5000億円程度でしたが、実際には約2兆8000億円の貿易赤字でした。この赤字額は過去最大で、昨年1年の貿易赤字額の約25%を占める割合になります。日本の輸出企業の海外進出が進み、円安傾向が進む中でもなかなか輸出が伸びない姿が浮き彫りになった格好です。現在単月の経常収支は3ヵ月連続で赤字が続いていますが、これで1月の経常収支も赤字になることが予想されます。
この数字が発表されると、ドル円は102円台前半から102円41銭まで円売りが進みましたが、その後は2つ目のサプライズがドルを押し下げました。2月のHSBC製造業PMIの数値が「48.3」と、2ヵ月連続で好不況の分かれ目である「50」を割り込んだことです。言うまでもなく、中国経済は米国と並んで世界景気をけん引する役割を担っています。米国景気の先行きに暗雲が立ち込めて来た現在、中国頼みという部分もありますが、その中国でも製造業を中心に景気の先行きに黄色信号が灯ってきたという状況です。この数字の発表直後から、日経平均株価は下げ幅を拡大し、終わってみれば300円を超す下落でした。
ドル円も102円台を割り込み、海外市場では一時101円61銭まで円買いが進行しました。このところのドル円は101円台後半~102円台後半のレンジ相場に入っているため、海外市場でのドル円の下落も限定的でしたが、仮に米中2大国の景気後退が鮮明になると、ドル円の展開にも影響を与えることになります。新興国通貨不安に加え、景気面でも米中の成長が鈍る状況は「リスクオフ」が加速し易いことになり、足許ではまだ深刻な状況ではないものの、今後ドル円の上値を抑える要因になることも予想されます。
昨日の海外市場ではドル円が101円台半ばまで下落したことで、クロス円も概ね円買い方向に推移しました。しかし、ドル円がNY市場の午後から値を戻すと、クロス円も急激に反発し、元の水準に戻った感があります。主要通貨がドルに対してパラレルに動くのではなく、円の動きに連動して主要通貨が動くケースも多く見られます。小康状態を保っているドル円ですが、この先100円台を目指すのか、あるいは103円台を目指すのかによってクロス円の水準も変わってくると見られます。もし103円に向かっているようなら、クロス円も上昇し、「円安」傾向が強まることになります。本日の予想レンジは101円70銭~102円70銭と見ていますが、このレンジほどには動かないのではないでしょうか。
先週は2週連続で豪雪(?)に見舞われた東京地方でしたが、改めて雪に弱い都会が意識されました。我が家の方も25センチ程の積雪でしたが、雪かきにてんてこ舞いでした。ラッキーだったのはいずれも土日にかけて積もったことです。遅まきながら雪かき用にショベルを2本購入しましたが、できれば使う機会がないことを願っています。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は中国PMIが2ヵ月連続で「50」を割り込んだことから中国景気への懸念が強まりドル売り円買いが膨らんだ。ドル円は101円61銭まで下落した後、米長期金利と株価の上昇に伴い102円25-30銭まで戻して引ける。
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2014-02-21 09:45