日産化学は業績、テーマ性、需給と3拍子揃って割安修正へ逆張り妙味

  日産化学工業 <4021> は、47円高の1510円と3日ぶりに急反発している。同社株は、昨年12月30日につけた昨年来高値1672円から300円幅の調整をして、26週移動平均線を挟む3角保ち合いを続けていたが、今3月期業績の上方修正、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉進展による農業関連人気のテーマ性、さらに自己株式取得や信用好取組の好需給と株高材料が、3拍子揃っていることを見直し、割安修正に再発進しているもので、下値逆張りでなお好パフォーマンスが期待できそうだ。 ■TPP交渉進展で「攻めの農業施策」関連人気も底流   株高材料の第1の業績面では、今3月期第2四半期累計業績が、昨年7月に上方修正されたあと、10月には3月通期業績が上方修正された。機能性材料部門では、ディスプレイ材料の「サンエバー」が、スマートフォン、タブレットPC向けに好調に推移し、農業化学品部門でも、水稲用除草剤「アルテア」、「シリウス」、一般家庭用を含む非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドワン」の販売が増加、輸出向けでも畑作用除草剤「タルガ」の出荷が伸長、医薬品部門でも高コレステロール血症治療薬「リバロ」の国内シェアが順調に拡大していることなどが要因となった。通期経常利益は、期初予想の210億円が230億円(前期比12%増)、純利益が同じく149億円から160億円(同15%増)とそれぞれ引き上げられ、純利益は、2008年3月期の過去最高(155億300万円)を更新する。つれて今期配当も、年間28円(前期実績26円)に連続増配が予定されている。   この農業化学品部門の、水稲用除草剤の好調推移は、そのままTPP交渉の進展による農産物の関税引き下げに伴う減反廃止などの「攻めの農業政策」に関連してくる。関連の農薬株の一角として再評価が進み、第2の株高材料となる。   一方、株式需給面では、今年2月4日に発表した330万株(発行済み株式総数の2.02%、取得総額50億円)の自己株式取得が、株主価値の向上とともに、今年4月30日までの取得期間中の需給好転要因になる。また信用取組も、昨年12月6日現在の信用売り残36万6200株が、今年1月31日に13万2300株まで減少したが、ここにきてまた21万株と増加し、信用倍率が1.09倍と拮抗しており、この面からの下値押し上げ効果も期待される。 ■売り方の買い戻しが先行しPER15倍台の割安修正へ   株価は、昨年10月の3月期通期業績の上方修正と2Q配当の増配で売り方の買い戻しを交えて昨年来高値まで170円高して全般相場急落とともに250円幅の調整をした。PERは15倍台、配当利回りは1.8%と下げ過ぎを示唆しており、売り方の買い戻しが先行し高値奪回から一段の上値追いへと波乱相場下でも逆行高する展開が想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日産化学工業<4021>(東1)は、47円高の1510円と3日ぶりに急反発している。同社株は、昨年12月30日につけた昨年来高値1672円から300円幅の調整をして・・・。
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2014-02-21 12:00