TACは足元の調整局面は押し目買い好機
「資格の学校」を運営するTAC <4319> の株価は全般地合い悪化の影響で高値圏から急反落したが、足元では切り返しの動きだ。目先的には戻り一服の可能性もあるが、収益改善を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機となりそうだ。
財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社会保険労務士・国家総合職など)など幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業や出版事業なども展開している。若者や女性の資格取得支援に向けた厚生労働省の教育訓練給付制度なども追い風だ。
13年12月には増進会出版社との資本・業務提携を発表した。増進会出版社は子会社のZ会を通じて通信教育事業などを展開している。当社の教室運営ノウハウや資格系コンテンツ開発力などと、増進会出版社の通信教育ノウハウや教養系コンテンツ開発力などを融合させて、新たなソリューションの提供を目指す狙いだ。
2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比2.9%減収、同28.3倍営業増益、同8.6倍経常増益、同21.5%最終増益だった。中小企業診断士講座や社会保険労務士講座が減速して現金ベース売上高は同3.2%減収、発生ベース売上高(決算短信上の売上高)は同2.9%減収だったが、売上原価での講師料・教材制作外注費・賃借料の削減、販管費での人件費・広告宣伝費・賃借料の削減などの効果で、営業利益は第3四半期累計として過去最高となった。経常利益については投資有価証券売却益計上も寄与した。なお特別利益では移転補償金が一巡した。
通期の見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比5.2%減の199億円、営業利益が同5.2倍の7億05百万円、経常利益が同2.1倍の7億85百万円、純利益が同54.3%減の4億47百万円としている。純利益は前期計上の移転補償金などの特別利益が一巡する。
講座受講者数が全体として弱含みであり、合格発表後の講座申込状況を見極める必要があるとして通期見通しを据え置いている。また期末に向けて出版事業での在庫評価減も検討しているようだ。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が78.2%、営業利益が176.9%、経常利益が190.1%、純利益が209.0%となり、利益は通期見通しを大幅に超過達成している。事業構造改革効果の本格寄与を考慮すれば通期増額は濃厚だろう。
株価の動きを見ると、水準を切り上げて1月22日の昨年来高値499円まで上伸したが、目先的な過熱感を強めたうえに1月下旬~2月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて急反落し、2月5日には313円まで下押す場面があった。ただし足元は360円~380円近辺まで戻している。第3四半期累計の収益改善を再評価する動きだろう。
2月24日の終値361円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円51銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS181円59銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発している。サポートラインを確認した形だろう。目先的には戻り一服の可能性もあるが、収益改善を評価する流れに変化はなく押し目買いの好機となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
「資格の学校」を運営するTAC<4319>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響で高値圏から急反落したが、足元では切り返しの動きだ。
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2014-02-25 09:30