【為替本日の注目点】NY株反発でドル円堅調、金・原油・株上昇でややリスクオン
NY市場
米経済指標の発表もなかったことで、ドル円は小動き。102円台半ばを中心に、値幅は上下20銭程度と膠着状態が続く。
ユーロドルは1.37台後半から下落。ECBのプラート理事が物価が上がらない場合には是正するツールボックスがあると発言したことでユーロ売りが加速。1.37台前半まで売られた。
株式市場は反発。市場心理がやや明るさを取り戻していることが背景との指摘もあり、ダウは103ドル高。S&P500は一時最高値を更新。
債券相場は反発。株式や商品市況が上昇し、ややリスクオンの流れが優勢となったことから価格は下落。
金は続伸し1330ドル台に。原油は反発。
ドル/円 102.40 ~ 102.60
ユーロ/ドル 1.3708 ~ 1.3748
ユーロ/円 140.51 ~ 140.89
NYダウ +103.84 → 16,207.14ドル
GOLD +14.40 → 1,338.00ドル
WTI +0.62 → 102.82ドル
米10年国債 +0.016 → 2.746%
本日の注目イベント
中 中国 1月コンファレンスボード景気先行指数
独 独10-12月期GDP(改定値)
欧 欧州委員会、経済見通し公表
米 12月FHFA住宅価格指数
米 12月ケース・シラー住宅価格指数
米 2月消費者信頼感指数
米 タルーロ・FRB理事講演
米 ラガルド・IMF専務理事講演
米 2月リッチモンド連銀製造業指数 <
昨日の東京市場から海外にかけては、経済指標の発表がなかったこともあり、102円台でのもみ合いが続きさすがに同じ水準での取引が続いているため動意も見られません。東京時間は株式市場が軟調に推移したため、102円15銭までドルが売られる場面があったものの勢いはなく、NY市場では株価の上昇に102円60銭あたりまでドルが買われています。
ドル円が膠着状態を強める中、ユーロドルが神経質な展開を見せました。ECBのプラート理事が「物価安定目標が達成されないとわれわれが判断した場合に利用できるツールボックスがある」と発言したことで、ECBによる追加緩和観測が広がり、ユーロが売られました。
ドラギECB総裁も前日、同じような内容の発言をしており、市場では追加緩和観測が急速に高まっています。ドラギ総裁は「G20」後の会見で「現在デフレと定義される状況は見られないが、当局はこのリスクを認識している。政策委員会はこうしたリスクが強まる場合には行動をとる意思と用意がある」と述べています。ECBは3月6日に2016年までの物価見通しを発表することになっていますが、この時までには追加緩和を講じるかどうかを判断するものと見られます。
乱高下を繰り返していたNY株式市場が依然として値幅は大きいものの、基調として下げ止まった感があります。そのため今月初旬には2.57%台まで低下していた米長期金利は、2.74%台まで上昇してきました。上記2.57%台まで金利が低下した際に、ドル円は100円台まで円高が進んでいます。現在足許では2.74%まで金利が上昇したということは、金利面から観るとドル円は上昇する可能性が高いと言えるかもしれません。ただ、それでも102円台の後半を明確に上抜けしない限り本格的な上昇は見込めないことは意識しておく必要があろうと思います。
ドル円は現在のもみ合い状態からどちらに抜け出るのかわかりませんが、どちらかと言えば上抜けする可能性が高いと予想しています。それでも中国の景気後退や、シャドーバンキングの影響など、ドルが下落する材料もあるため注意が必要です。
本日は米国時間に住宅関連指標が多く発表されます。こちらも今年に入って軟調な数字が相次いでいるため結果が注目されますが、より注目度が高いのは2月の消費者信頼感指数です。市場予想は「80」で、前回の「80.7」よりは多少悪化すると見ていますが、どうでしょうか。レンジ予想は102円~103円程度と見たいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米経済指標の発表もなかったことで、ドル円は小動き。102円台半ばを中心に、値幅は上下20銭程度と膠着状態が続く。
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2014-02-25 09:30