クリナップは足元の調整局面は押し目買いの好機
システムキッチン大手のクリナップ <7955> の株価は、利益確定売りや全般地合い合い悪化の影響で1月高値圏から一旦反落したが、下げ渋り感を強めている。好業績を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。3月期末に向けて3%近辺の配当利回りも注目点だ。
厨房部門のシステムキッチンを主力として、システムバスルーム・洗面化粧台なども展開している。中期計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を掲げて、中高級タイプの商品力・ブランド力の強化、主力の「クリンレディ」を核としたシステムキッチンの市場シェア上昇、全国102カ所のショールームへの集客強化、リフォーム需要の取り込み、総合競争力強化などを重点施策としている。今期(14年3月期)のショールーム新装(リニューアル・移転オープン)は合計で20ヵ所の計画だ。
2月6日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比9.8%増収、同50.3%営業増益、同53.3%経常増益、同53.2%最終増益だった。セグメント別売上高を見ると厨房部門は同10.3%増の722億29百万円、浴槽・洗面部門は同6.4%増の180億30百万円と、いずれも好調に推移した。生産体制強化に伴う償却負担増加やショールーム改装費用などを増収効果で吸収し、原価低減効果も寄与して大幅増益だった。
通期見通しは2月6日に増額修正(11月7日に次いで2回目の増額修正)した。売上高は21億円増額して前期比8.9%増の1236億円、営業利益は16億円増額して同55.6%増の74億円、経常利益は15億円増額して同60.1%増の70億円、純利益は11億円増額して同63.6%増の41億円とした。新設住宅着工やリフォーム需要が堅調に推移し、積極的な販売活動も奏功してシステムキッチンやシステムバスルームの販売数量が計画を上回り、高付加価値商品の構成比上昇も寄与する。原価低減も計画以上に進展しているようだ。
第3四半期累計の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が98.2%、経常利益が99.6%、純利益が105.1%と高水準であり、通期3回目の増額修正の可能性があるだろう。なお今期の配当予想についても2月6日に増額修正した。前回予想に対して5円増額して年間25円(第2四半期末10円済み、期末15円)(期末15円のうち記念配当5円)の予定とし、前期との比較では10円増配となる。
株価の動きを見ると、1月15日と1月16日に付けた昨年来高値1010円から利益確定売りで反落し、1月下旬~2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて2月4日の791円、2月5日の792円まで調整した。ただし素早く切り返しの動きを強め、その後は概ね800円台前半で推移している。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月25日の終値833円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS88円00銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は3.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1202円66銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見るとサポートラインの26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。トレンド転換には至らないだろう。指標面の割安感が強く足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムキッチン大手のクリナップ<7955>(東1)の株価は、利益確定売りや全般地合い合い悪化の影響で1月高値圏から一旦反落したが、下げ渋り感を強めている。
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2014-02-26 09:15