モブキャストは調整の最終局面で反発のタイミング

  ソーシャルゲームのモブキャスト <3664> (東マ)の株価は、前期業績の減額修正をきっかけに急落して軟調展開が続いたが、調整のほぼ最終局面だろう。四半期ベースで見た収益は底打ちした可能性があり、一旦は反発のタイミングだろう。   プロ野球ゲーム「モバプロ」やサッカーゲーム「モバサカ」などスポーツ分野に特化して、モバイルスポーツメディア「mobcast」運営とソーシャルゲーム開発・配信を展開している。自社ゲーム開発を強化するとともに、プラットフォームを開放して外部ディベロッパー製のゲーム配信と海外展開も強化している。13年4月には韓国でも「mobcast」をオープンして「モバサカ」の配信を開始し、13年8月には世界でも有数のモバイルゲームディストリビューターであるブースターメディア(オランダ)と業務提携した。   2月19日には、100%出資連結子会社モブキャストグローバルのPCオンラインゲーム事業を譲渡すると発表した。PCオンラインゲームの構成比が低下しているため、事業譲渡によって経営資源をモバイルエンターテインメント事業に集中する。なおモブキャストグローバルを4月1日付で当社に吸収合併(13年11月公表済み)する。   2月7日発表の前期(13年12月期)連結業績は売上高が51億79百万円(前々期非連結は49億32百万円)、営業利益が4億45百万円の赤字(同11億27百万円の利益)、経常利益が4億04百万円の赤字(同11億17百万円の利益)、純利益が6億57百万円の赤字(同6億48百万円の利益)だった。既存ゲームは堅調だったが、新規開発ゲームの投入遅れや広告宣伝費の増加を主因として営業損益が悪化した。純利益については減損損失も影響した。   なお四半期別営業利益を見ると、第1四半期(1月~3月)が1億10百万円の黒字、第2四半期(4月~6月)が49百万円の赤字、第3四半期(7月~9月)が2億05百万円の赤字、第4四半期(10月~12月)が3億円の赤字となった。第4四半期に赤字幅が拡大した形だが、経費コントロール効果で想定に対しては赤字幅が改善したようだ。営業損益は前期第4四半期がボトムとなった可能性があるだろう。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比2.3%増の53億円、営業利益が1億円(前期は4億45百万円の赤字)、経常利益が1億円(同4億04百万円の赤字)、純利益が1億円(同6億57百万円の赤字)の黒字化としている。今期の重点戦略としてサッカー分野に経営資源を集中し、サッカーゲーム6タイトルを世界25カ国で展開する方針だ。また負けず嫌い男性向けのプラットフォームを構築する方針で、3月12日に新「mobcast」プラットフォーム構想を発表予定としている。   モバイルスポーツメディア「mobcast」会員数は13年12月末時点で490万人(日本400万人、韓国90万人)を突破して増加基調であり、前期第4四半期に合計19タイトルをリリースした効果、今期投入の新規タイトルの効果、ブースターメディア(オランダ)との業務提携の効果、新規開発に係る業務委託費削減の効果、長期固定広告削減など経費コントロールの効果で収益改善が期待される。   株価の動きを見ると、昨年11月の前期業績減額修正を嫌気して急落し、その後は反発力の鈍い展開が続いている。1月下旬~2月上旬には全般地合い悪化の影響も受け、2月4日に910円まで下押して昨年11月安値1006円を割り込む場面があった。ただし足元は1000円近辺で下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面だろう。   2月26日の終値1011円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円20銭で算出)は140倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS131円96銭で算出)は7.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、2月の急落場面で下ヒゲを付けた。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソーシャルゲームのモブキャスト<3664>(東マ)の株価は、前期業績の減額修正をきっかけに急落して軟調展開が続いたが、調整のほぼ最終局面だろう。
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2014-02-27 09:15