インテリジェントウェイブは収益改善を評価して出直り
システム開発のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は昨年11月高値から反落して軟調展開だったが、調整のほぼ最終局面だろう。収益改善を評価して出直りの動きを強めそうだ。
クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・保守サービスを主力として、カードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、セキュリティシステム業務、その他業務(パッケージ製品販売などの新規事業分野)を展開している。中期的にはマイナンバー制度導入に伴う開発案件などの受注増加が期待され、フロント業務関連から基幹業務関連への領域拡大、ビッグデータ関連への参入なども目指している。
新規事業では、企業のウェブサイトの満足度を高める自社開発のコミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化する。簡単な質問には口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が自動応答するシステムで、すでに全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。親会社の大日本印刷<7912>との連携強化で受注拡大が期待される。
なお2月26日には、ジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携すると発表した。当社の「市況情報配信/分析基盤ソリューション」とGIFIの次世代オンライントレードシステム「SIRIUS」の相乗効果を目指すとしている。
2月5日発表の今期(14年6月期)第2四半期累計(7月~12月)連結業績(1月29日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前年同期比14.2%増の30億55百万円、営業利益が1億03百万円の赤字(前年同期は8億34百万円の赤字)、経常利益が88百万円の赤字(同8億31百万円の赤字)、純利益が72百万円の赤字(同8億34百万円の赤字)だった。増収効果や不採算案件に係る経費の減少などで営業赤字が大幅に縮小した。
累計ベースでは営業赤字が残ったが四半期別に見ると、第1四半期(7月~9月)は売上高が12億80百万円で営業利益が2億70百万円の赤字、第2四半期(10月~12月)は売上高が17億77百万円で営業利益が1億67百万円の黒字だった。第1四半期はカードビジネスのフロント業務で前期に発生した不採算案件の手直しで外注費が増加して営業赤字だったが、第2四半期はほぼ通常の経費コントロールに戻って営業黒字化したようだ。
なお第2四半期累計のセグメント別状況を見ると、カードビジネスのフロント業務は売上高が同48.5%増の20億58百万円、利益が1億65百万円で前年同期(6億69百万円の赤字)から大幅に改善した。クレジットカード会社向けシステム開発・保守が好調で、ハードウェア前倒しも寄与して大幅増収となり、不採算案件発生に伴う外注費増加が第1四半期でほぼ終息した。
システムソリューション業務は売上高が同22.5%減の8億32百万円だったが、利益は0.5百万円の赤字で前年同期(39百万円の赤字)から改善した。セキュリティ業務は売上高が同27.6%減の1億22百万円となり、利益は1億58百万円の赤字で前年同期(53百万円の赤字)から悪化した。その他は売上高が同11.6%減の42百万円、利益が1億10百万円の赤字(前年同期は72百万円の赤字)だった。
通期の見通しについては前回予想(8月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.2%増の60億円、営業利益が4億円(前期は6億77百万円の赤字)、経常利益が4億円(同5億87百万円の赤字)、純利益が2億50百万円(同3億49百万円の赤字)としている。不採算案件の一巡などで営業損益が大幅に改善する。
セグメント別売上高の計画は、カードビジネスのフロント業務が同0.3%増の32億10百万円、システムソリューション業務が同3.1%減の19億80百万円、セキュリティ業務が同10.7%増の5億60百万円、その他が同2.1倍の2億50百万円としている。クレジットカード・金融業界のシステム更新需要に加えて、ブランドプリペイド決済関連案件の受注拡大、セキュリティ業務の情報漏洩対策ソリューション「CWAT」や新規事業の「Faceコンシェル」などの販売拡大も期待される。
株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、昨年11月高値405円から反落後は水準を切り下げる展開となった。さらに1月下旬~2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて急落し、2月5日の239円まで下押す場面があった。ただし足元では270円近辺まで戻している。売り一巡して反発態勢のようだ。
2月26日の終値275円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円49銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS168円83銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線割れ水準まで調整したが、2月上旬の急落で下ヒゲを付けて調整のほぼ最終局面だろう。収益改善を評価して出直りの動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は昨年11月高値から反落して軟調展開だったが、調整のほぼ最終局面だろう。収益改善を評価して出直りの動きを強めそうだ。
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2014-02-27 09:15