【為替本日の注目点】ドル円102円前半で一進一退、雇用回復期待とFRB議長証言

 NY市場  ドル円は102円10銭まで下落した後、新築住宅販売件数が予想より上振れしたことでドル買いが進み、102円60銭近辺まで上昇。その後は緩やかに下落し、昨日の水準に戻す。   ユーロドルは1.37台前半から急落。米住宅関連指標が好調だったことでドル買いユーロ売りが加速、1.36台半ばまでユーロ安が進む。   株式市場は小幅に続伸。S&P500は一時引け値ベースでの過去最高値を上回ったものの維持できず、ほぼ横ばいで取引を終える。   債券相場は続伸。5年債の入札では過去の平均を上回る需要があったことで10年債も買われた。長期金利は2週間ぶりに2.7%を割り込む。   金は4営業日ぶりに反落。原油価格は反発。   1月新築住宅販売件数 → 46.8万件   ドル/円 102.10 ~ 102.61  ユーロ/ドル 1.3662 ~ 1.3731  ユーロ/円 139.65 ~ 140.57  NYダウ +18.75 → 16,198.41ドル  GOLD -14.70 → 1,328.00ドル  WTI +0.76 → 102.59ドル  米10年国債 -0.034 → 2.666%  本日の注目イベント  独   独1月雇用統計   独   独2月消費者物価指数(速報値)   独   独 ワイトマン独連銀総裁講演   欧   ユーロ圏1月マネーサプライ   欧   ドラギ・ECB総裁講演   米   1月耐久財受注   米   新規失業保険申請件数   米   イエレン・FRB議長上院銀行委員会で証言   米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演   連日102円台で推移しているドル円は、決定的な材料が見つからないことでもみ合いが続いています。2月初旬に100円台後半を3日連続で試した展開を除くと、102円台での取引は約1ヵ月続いており、コメントを書くにも「材料不足」に苦労する状況です。  昨日はボストンで、ボストン連銀のローゼングレン総裁が講演を行い、最近の様な経済統計に弱さが見られる時は、辛抱強く緩和策の縮小を続けるべきだといった趣旨の発言をしています。そして、われわれが最も知りたいポイントでもある、最近の経済指標の弱さは悪天候のせいなのかどうかについては「それは不透明だ」と述べたに留まり、明言を避けています。  しかし昨日の新築住宅販売件数は久しぶりに好調な内容でした。1月の新築戸建て販売件数は、市場予想の40万戸に対して、46万8000戸と大きく上振れました。この件数は、ここ5年余りで最も多い件数です。さらに前月の件数も41.4万戸から42.7万戸に上方修正され、このところ低調気味だった住宅市場に再び明るさが戻った感があります。この結果を受け「あとは雇用の回復だ」との期待の声も出て来た様です。  102円台で一進一退を続けているドル円ですが、来週の雇用統計か、あるいはその前にも動き出しそうな気配もあります。「日足」のボリンジャーバンドを見ると、「2シグマ」がかなりの収縮を見せています。上の「2シグマ」が急速に下向きになり、下の「2シグマ」が上に向いて、バンドの幅が狭まっているのが見て取れます。  もちろんこれは、相場がもみ合いを続けていることが原因ですが、言い換えれば「エネルギーを溜めている状況」です。溜めたエネルギーはいずれ発散することになることから、現在は「2シグマ」が拡大するのを待つ状況です。今後どこかの時点で拡大が始まるはずです。その時は「順張り」で、ローソク足が「1シグマ」に交わった方向にポジションメイクするのが原則です。今時点ではどちらに拡大するのかは判断できませんが、拡大後ローソク足が伸びた方向に追随することをお勧めします。  本日はイエレン議長の議会での証言が予定されています。今月11日には、経済の見通しが著しく変化した場合のみ、債券購入の縮小ペースを減速させると発言しましたが、今回も、量的緩和の縮小を改めて示唆するような発言内容だと、基本的にはドル買い材料であるものの、株価の下落が見られるようだと、ドルが売られる可能性もあるため注意が必要です。予想レンジは昨日とほとんど変わりませんが、102円~103円程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円10銭まで下落した後、新築住宅販売件数が予想より上振れしたことでドル買いが進み、102円60銭近辺まで上昇。その後は緩やかに下落し、昨日の水準に戻す。 
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2014-02-27 09:30