リンテックは好業績等を評価し昨年10月高値を目指す

  粘着製品大手のリンテック <7966> の株価は全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、足元では出直りの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はなく自己株式取得も支援材料だ。強基調に転換して昨年10月高値を目指す展開だろう。   高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。   2月12日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比4.2%増収、同29.0%営業増益、同25.7%経常増益、同21.5%最終増益だった。電子・光学関連の好調が牽引して大幅増益だった。   セグメント別に見ると、印刷材・産業工材は同1.8%増収、同8.1%営業減益だった。ウインドーフィルムがやや低調だったが印刷用粘着製品は堅調だった。電子・光学は同5.6%増収、同93.7%営業増益だった。半導体関連粘着製品、積層セラミックコンデンサー製造用コートフィルム、液晶関連粘着製品など、スマートフォン・タブレット関連製品が好調だった。洋紙・加工材は同6.9%増収、同3.3%営業増益だった。カラー封筒用紙、建材用紙、炭素繊維複合材料用工程紙などが好調だった。   通期見通しについては前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比10.0%増の2100億円、営業利益が同42.0%増の150億円、経常利益が同36.6%増の150億円、純利益が同36.7%増の105億円としている。第3四半期累計の進捗率は、売上高が71.7%、営業利益が73.0%、経常利益が72.8%、純利益が73.3%と概ね順調な水準である。電子・光学関連は第3四半期(10月~12月)に好調を加速した形であり、想定為替レートは1米ドル=92円と保守的である。好業績が期待されるだろう。   なお2月12日に自己株式取得(取得株式総数の上限300万株で自己株式除く発行済株式総数に対する割合4.02%、取得価額総額の上限50億円、取得期間14年2月13日~14年3月31日)を発表し、2月13日には自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって140万株(取得価額総額26億6840万円)を取得した。   株価の動きを見ると、昨年10月高値2157円から反落後は概ね1800円~2000円近辺のレンジで推移している。1月下旬~2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月4日の1747円まで下押す場面があった。ただし昨年12月安値1727円を割り込まずに反発し、足元は2000円近辺まで戻してボックスレンジ上放れの構えを見せている。好業績を評価する流れに変化はなく、自己株式取得も支援材料となったようだ。   2月27日の終値2001円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円57銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1909円57銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると2月上旬の急落は長い下ヒゲを付けて反発し、戻りを押さえていた26週移動平均線を回復した。レンジ上放れて強基調に転換し、昨年10月高値を目指す展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、足元では出直りの動きを強めている。
economic
2014-02-28 09:15